2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィザーズ・ブレイン(5) 賢人の庭(下)

「だから ― この世界が私を認めないというのなら、私は喜んで世界の敵になろう」 犠牲を良しとするか、それとも居場所を作るか。二つの正義はどちらも間違っていないだけに迷うことだけれど、血まみれになりながら、ぼろぼろになりながら、それでも胸の内を…

ファロットの休日 クラッシュ・ブレイズ

「ここに来て人とのしがらみや縁というものを気に掛ける羽目になるとは……奇妙なものだな」 「わずらわしいかい?」 ヴァンツァーは真顔で首を振った。 「いや、そうでもない」 レティシアとヴァンツァーのお話二編。どちらも面白いけれど、レティシアの方は…

2010年7月31日の日記

今日で七月が終わりだなんて……という発言をTLでちらほら。締め切りって言葉がある人たちは大変だ。朝から本を読……む前に、昨日の残骸を片付けていたら午前中が終わってしまったでござる。ちなみにあくまで残骸を片付けていただけで、部屋を片付けていたわけ…

ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様(2)

「けれど甲子園は違うだろ。普通の高校生でも仲間と力を合わせればたどりつくことができるかもしれない。そんな夢の場所だとは思わないか?」 強豪校にどう立ち向かうか。練習量で追いつけないならと各自が試行錯誤して長所を伸ばし、その努力が結ばれるとこ…

ウィザーズ・ブレイン(5) 賢人の庭(上)

「今はまだ私一人だが、賛同する者はいずれ必ず現れる。今回のモスクワの件は手始め、最終的にはすべてのシティでマザーシステムの使用を止めさせる。私は―」 少女はディスプレイの向こうの天井を見上げ、息を吐き、その言葉を、ゆっくりと吐き出した。 「私…

2010年7月30日の日記

平和さんがらのさいのお手伝いをしてくれるそうです。今日は変な天気でした。朝から外に出るのがうんざりするぐらいの大雨だったのに、昼ぐらいには止んで晴れ間も見えたんですから。まあ、そんなこと言ってられないぐらい、変な仕事が舞い込んできて、てん…

闇に灯る ― 寺子屋若草物語

「たった一文やけど、重い一文やと思ってます。うちらは、この一文が子供らがこの先歩く道に小さな明かりを灯すことを信じて、一文稽古を続けてるんです」 「闇に灯る」というタイトルの意味が見えるシーンはじんわりきた。丁稚の草太の思いも繋がっていく一…

プリンセスハーツ 〜今宵はせめて夫婦らしくの巻〜

「はぁ、じゃありません。殿下がせまってきたら、必ず関係をもちなさい。いいですか!」 「……ル、ルシードがわたしに迫ってくるなんて、そ、そんなことにならないと……思いますが」 「「なります」」 お互い想い合っているのに、どうしてすれ違うんだともどか…

2010年7月29日の日記

今日は午後半休。元気よく帰ろうとしたら、嵐のような雨風でどんな嫌がらせだと思いました。雨宿りした本屋でクラッシュ・ブレイズの完結巻が買えたから許してあげるけど。ちなみに今回はレティシアとヴァンツァーが主となる中編二編です。ヴァンツァー物語…

ウィザーズ・ブレイン(4) 世界樹の街(下)

「どうせどっちに行っても間違ってるんだったら、自分のやりたいことをやれ。自分が間違ってることを忘れずに、失敗しても言い訳せずに、それさえ守れればそれでいい……ずっと前に、真昼兄がそう言ってた」 金色の前髪をかき上げ、ゆっくりと顔を寄せる。 「…

永遠虹路

「それって何だかさ……」 三日月を見上げる彼女は、優しい目をしていた。 「恋でもしているみたいだね」 舞原七虹の人生を、彼女に惹かれた人たちの視点から描くお話。彼女に恋した人たちの思いが切なく、届きそうな思いがすれ違うところはああ……と思ったけれ…

2010年7月28日の日記

今日は半休取る予定だったのに、同僚が体調芙蓉で休んだ為、取り消し。おうのう……。というわけでやる気無く仕事してましたが、なんとか明日にずらしました。午後半休とってやる。お願いだから、明日は来て欲しいな。帰宅する頃には、bk1にいろいろ新刊が入っ…

桜嵐恋絵巻 〜暁の声〜

逃げられなくても、せめて、ここにいると伝えられればいいのに。 夢の中では、何度も雅遠に呼びかけた。 だが、夢は夢。 どれほど声をからしても、雅遠には届かない。 ……逢いたい。 会いたい。でも会えない。そんなふたりの思いが切ない。むしろ雅遠のほうが…

ウィザーズ・ブレイン(4) 世界樹の街(上)

「そういや、まだ肝心なこと聞いてなかったな」 弾みをつけて椅子から起き上がり、ヘイズは一つ指を鳴らした。 「結局、その世界樹ってのはなんなんだ?」 ゴーストハックつええ!でも使い手のエドは可愛いな。彼の面倒をみる錬のお兄さんっぷりが楽しい。そ…

2010年7月27日の日記

真夜中に本に起こされた。「君に届け」が僕に届いて起こされるとかなんたること。おかげで二日連続寝不足……。こうなると、さすがに仕事中眠くなる。寒さに凍えながら、膝掛けにくるまり……耳元で寝たら死ぬぞの声が聞こえそうになることがあったような無かっ…

アンチ・マジカル 〜魔法少女禁止法〜

『魔法はね、人を幸せにする為にあるんだよ』 倒すべき悪がいなくなったあとの魔法少女の現実を描くお話。脅威がなくなったとたん……か。人の幸せを守るために戦う少女たちの成れの果てが幸せでないというのは、なんという皮肉なんだろう。魔法は人を幸せにし…

虚空の旅人

「シュガ。ひとつだけ、約束してほしいことがある。 これからも、おまえがなにかの陰謀に気づいたとき、わたしを守るためにその真相を隠すことは決してせぬと約束してくれ。……陰謀の存在を知りながら、だれかを見殺しにするようなことを、決して、わたしにさ…

2010年7月26日の日記

夜は風が入りすぎて寒い……と思って布団かぶって寝てたら、真夜中に風が止まって暑さで目が覚めた。絶対体に悪い。クーラーつけて具合が悪くなるのと、どちらが軽くすむんだろう(具合が悪くなること前提)。いろんな意味でお仕事の時間が長いです。冷房が壊…

今週の購入予定本

とても少ないんだけど、何か忘れてないかしら。 07/30 ファミ通文庫 魔王城 五限目 田口仙年堂 [A][B] 幻想ファンタジアノベルズ 翼の帰る処3 —歌われぬ約束— (上) 妹尾ゆふ子 [A][B] コバルト文庫 平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり …

ウィザーズ・ブレイン(3) 光使いの詩

「君がこの剣でどれだけのことを為したとしても、君の罪は決して消えない。君の剣はこれから先も数え切れないほどの命を奪い、悲しみを生むだろう。人は君を兵器と呼び、恐れるだろう」 祐一は、剣の柄をディーの手に握らせ、 「それでも戦え。罪も痛みも、…

宝石姫は微笑まない。

気のせいに違いない。 一瞬、抱きしめられたかもしれない、なんて。 でも。 一生忘れない。 この思い出だけで一生生きていける。 前国王の娘が傭兵と共に隣国へ旅立つお話。これは素敵なラブストーリー。無口で時に無礼に感じる男に惹かれていく姫と、彼女の…

2010年7月25日の日記

今日は午前中は涼しく、昼は暑かったけれど、夜になって雨が降ったら涼しくなるという一日でした。まあ本を読むのに何ら問題がある分けじゃないので良いですが……といいつつ、やはり単行本を読む気になれないので、多少の影響はあるか。今日は一冊だけでした…

ヤヌス

「無理?もうメイクはできない?したくない?本当にそう?そんなもののために今まで頑張ってきたんですか?彫刻を勉強するために徹夜も平気でするような人が、どんな仕事でも最後まで投げ出さずに一人でこなしちゃう人が、そんな言葉を簡単に言わないでくだ…

ウィザーズ・ブレイン(2) 楽園の子どもたち

「で、信用できそう?」 「それは、まだなんとも。だけど……」 ルーティは少し言いよどみ、はにかみながら 「ああいうのを『いい人』っていうのよ、たぶん」 切なくて胸が痛い。空飛ぶ実験施設に潜り込んだ男が出会った少年少女達のお話しはとても楽しくて、…

2010年7月24日の日記

今日は家で本を読もうと思ってたけれど、Twitterでのやり取りをみて、反射的にボドゲることにした。いやほら、先日のボドゲでコモリさんに会えなかったじゃないですか。 14 時半ぐらいから、19時ぐらいまでやってたと思います。ドミニオンと、くにとりっ!を…

丘の家のミッキー(10) 井の中の蛙 世界に飛び出す!?の巻

あの「さよなら」を、取り消す呪文。 そうよ。 「さよなら」 なんて。あたしは言ったんだわ。 どうしてあんなこと……! シリーズ最終巻。落ち込みまくって、でも親友のおかげで気づくことがあり、これまでの習慣じゃないけれど、教会という場で自分を見つめ直…

ゼロの使い魔(19) 始祖の円鏡

「またあなた、自分だけよい子になろうとしたのね?」 「ちが……、そういうわけじゃ……、ただ、迷惑かけちゃいけないと思って……」 「迷惑ですって?バカねえ。友人一人救えないようじゃ、世界なんか救えないわよ」 ルイズの心配してる場合じゃなかった。エルフ…

2010年7月23日の日記

寝苦しいとはまさにこのこと。 いつもどおり23時に寝たのに、暑さで目覚めた24時52分。雨音すごい。むあっとした空気やばい。扇風機が涼しさを運んでこない。この寝不足具合は、殺意を生むと思った。まじねむいときにTLみたら、休み取って三連休という人が…

僕は友達が少ない(4)

「お前は『すべからく』をどういう意味だと思ってるんだ?」 戦慄する俺に、理科は小首を傾げ、 「エッチな意味?」 「謝れ!すべからく『すべからく』に謝るべし!」 「やだ先輩ったら……それってセクハラですよ」 「だから卑猥な言葉じゃねえんだよ!」 相…

ウィザーズ・ブレイン

「僕にできることは?」 「明日も、私と遊んでください」 「それだけ?本当に、それだけでいいの?」 「……本当は、もう一つ」 フィアはいつもと変わりのない、こぼれるような笑みを浮かべた。 「今ここで聞いたこと、私が話したこと……全部、忘れてください」…