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聖者は薔薇を抱きしめて ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

「わたしはずっと、パメラを信じてるわ」 「あたしの何を信じるの?」 「わたしの友だちは、パメラのなかにいる。どこにいても、離れても、パメラの心のまんなにいあるものが、ずっと何も変わらないって信じている」 まったくイアンって人は!パメラの恋が描…

東雲侑子は短編小説をあいしている

「協力って、何に?」 「恋愛の……いろいろって言うか……」 「ど、どうやって?」 「うん、だから、あの……」 東雲は一度ごくりと喉を鳴らし、それから俺を見据えた。 「私と、付き合って欲しいの」 これは良かった!いい距離感の青春物語ですね。甘酸っぱい思…

たとえ許されない恋だとしても

女は、愛する男に剣を向けた。 男は、愛する女に剣を向けた。 愛する民を守る為に。 愛しているのに、殺し合うとか、おヤバい。展開としては、特に捻りはないですが、良い意味で王道でした。面白かった。→ 感想

魔王なあの娘と村人A(2) ―牛と勇者とパンプキン

まったく。 こいつらのしていることは、本当にバカみたいだ。 だけど。 ……やっぱり、少しうらやましい。 お約束のように鈍い佐東君でもドキドキしちゃうぐらい、竜ヶ峯の可愛さがこれでもかと描かれていて、どうしてくれようかと思いました。楽しいなあ。ま…

子ひつじは迷わない うつるひつじが4ひき

「しきたりなのです」 その音声は静かで、揺ぎ無く、聞く者を黙らせる何かがあった。 「この館では、鏡を見ることが禁じられています。みなさんも手鏡などお持ちであれば、部屋に入る前にお預け下さい」 始まりからして、ミステリな雰囲気でワクワクでした。…

押しかけ絵術師と公爵家の秘密

「落ち込めと言ってるわけじゃない」 真摯な青い瞳がエステルをとらえた。 「さっきも、それから祭りの前に行き詰まった時も、おまえは逃げ出すことなんて考えなかっただろう。怖かろうが自信がなかろうが、あきらめずに努力して立ち向かう。おまえは、よく…

問題児たちが異世界から来るそうですよ?(3) そう……巨龍召喚

「『感動に素直になれ』――ああ、そうさ。アイツは何処に足を運ぶにしても同じことを俺に言った。大陸を巡り、七海を渡り、世界の遺産を見て回って、俺に山ほど感動を分け与えて――世界を壊さないよう、俺に感動を植えつけたのさ」 相変わらずの痛快さを見せつ…

身代わり花嫁と公爵の事情

「まあ、フラン様ったら。お顔が見事な緑色。馬車に酔われましたか?そうそう、いいお薬が……」 「違うよ……」足元の鞄を探ろうとするケティを押しとどめる。 「姉上のせいだよ。男の僕を花嫁に仕立て上げるなんて、むちゃくちゃすぎる。ばれたらどうするんだ…

ココロコネクト ニセランダム

「俺の考えが本物かどうかわからないんだよ。どうやって判断したらいいと思う?」 「うん、その考えは、なにもしないでそのままだったら、偽物かもしれないよね」 話す円城寺は、少し得意げだった。 「だから行動して、自分で『本物』にするんだよ」 なんて…

影執事マルクの契約

「それでは、<アルス・マグナ>に思い知らせてやるとしましょう――」 「――ヴァレンシュタイン家に仇なすことが、どれほど割りに合わないことか」 まさに最終巻という感じの盛り上がり!オールキャスト大活躍で面白かった。→ 感想

天の花嫁

「天人なら、あれくらいのことは誰にでもできる」 「いいえ、できなかったわ」 杏麗は首を横に振った。 「私を守ってくれたのは、あなただった。他の神様や仙人じゃなくて」 なんだこの甘いお話は。展開としては、あっさりしていて、大きな起伏があるという…

花嫁の聖戦 シスター・ブラックシープ(5)

「なんだよ、心配させやがって!」 涙ぐみ、彼は言った。 「おかえり、【黒い羊】!」 悪魔ーーーーーーー!→ 感想

東京レイヴンズ(6)

「儂らの世界において、『礼』とはすなわち『技』を指す」 「技?」 「左様。古くは人と神、のちには人と人との繋がりによって生ずる力。それを良く用いるがための技、作法、式こそ、『礼』じゃ。むろん、お主の言う道徳だの礼儀作法だのも、元を正せばこれ…

竜宮ホテル 迷い猫

「ぼくはたしかに、幸運な人間かもしれない。でも、幸運はぼくをときどき不幸にします」 とても優しいお話だなあ。若くして作家になり、独り立ちせざるを得なくなった家庭の事情があって、いろいろなことから目をそらしていた響呼が、ひとつの出会いから、優…

QED 伊勢の曙光

「定事……って、天皇家にとって、伊勢神宮の祟りは通常の出来事だったというんですか!」 「そうね」 「祟りが?」 「はい」 説明が付きそうでつかない仮説にもどかしさを感じていたけれど、最後の最後でピタっとはまってくれるから、このシリーズは面白いん…

扇舞う(2)

「殿、お覚悟はよろしいですか?」 祥三郎はうなずいた。不思議と、静かな心持ちだった。 「……扇を広げることにしよう」 このシリーズは、家臣たちが祥三郎を見守るときの視線と同じ目線で、読んでしまう。子供から大人へと成長していく姿を目の当たりにして…

カイザー養成学園 君は世界を支配する。

「貴様も……今にわかる!ここに一年、いや、半年もいれば、発狂したほうがどれだけマシかわかってくる!爽矢・E・シャフトのように、お前もさっさと、くたばりやがれ!」 うーん、なんか、読みづらい話だったなあ。乗り切れないまま、最後まで行ってしまった…

ビブリア古書堂の事件手帖(2) ―栞子さんと謎めく日常

「……この感想文ですけど……、厳密に言えば、違うんです」 「違うって、どこがですか?」 「内容、です」 彼女は重々しく言った。 「これを書いた人は、本当の意味で『時計じかけのオレンジ』を読んでいません」 相変わらずの雰囲気で描かれる二人の距離がいい…

天狐来々

「そ、そのような犠牲は天命が変わるときには、つきもの……」 「それが、天の定めた運命ならね。だが、今、人界をいじろうとしているのは、君の手だ。君こそが、この世界に戦争をもたらし、人々を植えさせ、世界を焼き尽くす。それだけの罪を君は背負えるの?…

羽月莉音の帝国(9)

「どうする、これから?」 「悠長に構えてる余裕はなくなった。体勢を立て直して、一気に突っ切るしかなさそう」 「やるしかないか」 「やるしかないわね」 ついにきたか!革命が始まっていく展開が熱い。→ 感想

ケガレの乙女

「おまえがアラアラシを連れてきたんだ。お前が無界に入って……こいつ、ケガレだ!こいつが群にアラアラシを呼んでやがるんだっ。ケガレだっ。ケガレの娘だ!」 猪突猛進というか、少女の揺れっぷりがもどかしくいんだけど、不義の子たる皇子とのやり取りから…

R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く

「罪悪感のために命を賭けても仕方がない。理性でものを考えろ」 「女は感情で生きる生き物なのよ」 「……それは、なにかの台詞か?」 「たぶん。なんだったか忘れちゃったけど」 雰囲気が抜群です。→ 感想

幽霊伯爵の花嫁 首切り魔と乙女の輪舞曲

「逃げてしまえるほど弱くはなれず、貫き通すほど強くもなれなかったのなら、地べたに這いつくばっていればいかが?」 サアラの行動が痛快でたまらない!相手を思っての言葉ではなく、自分の良いように、言うなればワガママとしか思えない言動をしているのに…

三井澄花と四角い悪魔

「私たちって何の会社の社員だっけ?」 「……クレジットカード、ですけど」 「『クレジット』は『信用』って意味だよ。信用取引の世界に生きる私たちが、人を信じられないでどうするのよ」 何このホワイト企業……始めてのお仕事で、ミスをすることも多いけれど…

死神姫の再婚 誰にも言えない初恋の君

「取り返す」 囚われのお姫様を救い出すのは、いつだって王子様の役目なのだ。 「絶対に、取り返す。だから……、待っていてくれ」 アリシアの向こうっ気がとても楽しい、けど、どんどんとひどいことになってるな……大きく話が動かないからもどかしいけれど、次…

アリス・イン・ゴシックランド(2) 怪盗紳士と大聖堂の秘法

「だから、あなたがアリスを守って。その代わり―」 ジルは、ジェレミーの唇に人差し指を当てる。 「あなたの操作に手を貸すわ」 面白かったー。謎解きとしては物足りないんですが、むしろこれは冒険ものと捕らえるほうがいいんでしょうね。いっそ天晴れな悪…

クリムゾン・エンパイア スペル・オブ・ロマンス

「俺が訊いているのは、俺と話すことが、おまえにとって迷惑かどうかということだけだ」 やっぱりこの二人はいいな。不器用な思いのやりとりに、にやり。→ 感想

生徒会の金蘭 碧陽学園生徒会黙示録(6)

「こちらこそ、来年もよろしくねっ!バーカ!」 まさかまさかの熱き青春物語にやられました。→ 感想

お嬢様は吸血鬼 〜秘密ノ求婚〜

「先生、わたくしが吸血鬼であること、本当にずっと秘密にしておいてくれますか?」 ちょっとレトロな雰囲気もいいし、ドキドキさせつつも、どこか抜けたところのある二人のやり取りが楽しかった。これは続きが楽しみだなあ。→ 感想

ドS魔女の×××

「ハハ、わたしがS?」 わたしは箒を手にした。 「違うぞ」 そして、わたしはこう言った。 「―ドSだ」 期待してたら、そんなエロくなくて大変残念だった。→ 感想