相変わらず背中痛

背中が痛いのは胃が弱ってるから、というなんしぃのコメント
僕の食生活で胃が弱ることなんてないと思うんですが……。
食べなさすぎってのもないだろうし。大学時代に比べれば食べるようになったので。
むしろ大学時代食べなかった昼食を食べるようになったのが悪いのか?
少し量を減らしてみるか。


そうそう。サイドバーのグラフにも出ていますが、今日は 1207ページ読了。
まあまあのページ数ですね。

西の魔女が死んだ

夏になるといろいろな出版社が出してくる夏の100冊。
この本は新潮文庫の100冊。


「わたしはもう学校へは行かない。あそこは私に苦痛を与える場でしかないの」
そう言い出したまいに、母は観念してきつく問い詰めるよりも……と、まいはおばあちゃんのもとで過ごすことになった。
魔女 - 母とまいがそう呼ぶおばあちゃんのもとで過ごす日々。


「え?魔女って本当にいたの?」
「まいの思っているような魔女とは、ちょっと違うかもしれませんけれど、本当にいたんですよ」


そしておばあちゃんから、魔女としての手ほどきを受けることになった……。


なんと素敵な物語か。
おばあちゃんへの思い。おばあちゃんからまいへの思い。
「自分で決める」ことを目的とした魔女の修行。自然と触れ合うことの喜び。
それぞれが巧みに表現されている。



ニシノマジョ カラ ヒガシノマジョ ヘ


それを読んだあとのまいの言葉。
感動せずにはいられない。


この作品で日本児童文学者協会新人賞などを受賞している児童文学系の方らしいですが、
これを児童だけに読ませるなんてもったいなすぎる。むしろ、大人が読んだほうがいい。
これは心を揺さぶられる物語です。
激しくオススメ。


西の魔女が死んだ - 梨木香歩


ベルカ、吠えないのか?

二十世紀においてアメリカ合衆国の領土が他国に侵略された事実。
それはただ一度だけ起きた。ふたつの小さな島が日本軍に占領された。
だが、アメリカはその島を奪還した。日本側で撤収できたのは人間だけ。
軍に所属するもうひとつの命、軍用犬は置き去りにされた。
戦争にもはや欠かせない軍用犬。始まりは置き去りにされたたった四頭の犬。
その犬の子孫が繰り広げる冒険の物語。


それは戦争の世紀で、様々な政治の流れに、様々な人々の意思によって犠牲になる犬たち。
一章一章がかなり途切れるのと、どちらかといえば神の視点から描かれるため、個人的には好みに合わない。
とはいえ、一気に引きずり込む迫力ある文章はすごい。犬たちがかっこいい。
そんな犬による現代史。
第133回直木賞候補作。


ベルカ、吠えないのか? - 古川日出男


憐 Ren 〜 routine 〜

〜 rainy 〜
初めてこの世界に来て思い知らされたこと。自分は無知で無力なのだと。
それがただただ悔しい。
見知らぬ土地を見回り見つけてしまった運命の男。
前がよく見えないのは雨のせいか……。

〜 entertrain 〜
「私、未来に行くの。こうしろって言われたの」歩道橋から飛び降りようとした少女。
唐突に出てきたのは監察官と同じく未来から来た先導者。
「時の意思」がなんと言おうと、私の周囲で先導なんてバカなことをやらかそうとするなら……

〜 link 〜
憐と玲人ができないこと。それはストバスで明確になった意思疎通。
その意思疎通を玲人と完璧にできる女性、晶。
その女性がまさかあの玲人を……
思い悩む憐は……

〜 strategy 〜
「友達以上恋人未満な関係をダラダラ続けている某二名をくっつけたい」
言い出したのは朋香。(強制で)賛同させられる友人たち。
そして計画は進められ、みんなでプールへ行くことになり……

〜 conclusion 〜
「進路相談について」担任が配ったプリント。
漠然とでもいいから書くように、という指示に、憐は戸惑う。
私は何をしたいのだろう?


今までの長編の間を埋めるようなストーリィは「〜 rainy 〜」ぐらいか。
他ははいつものメンバたちと過ごす日常を描いたストーリィ。
とはいえ、ホノボノとしつつ、急激な感情の脆さを描くシーンは時たまある。
個人的には「〜 entertrain 〜」がよかった。
未来の人間とはいえ、ああいった人がいるということ、また「時の意思」のちょっとした変化というかお茶目さというか、一風変わったシーンも見れるし。そして何より、憐の友達の頑張る姿はよかった。
そんな書き下ろし四篇を含む短編集。


憐 Ren 〜 routine 〜 - 水口敬文