最後の夏に見上げた空は

目が覚めたらベットの上だった。そんな自分に気づき、涙を流しながら喜んでいる人がいる。
でも彼が誰なのかわからない。自分の名前すら思い出せない。
「あなたは誰ですか?」
そんな順子は戦争の被害者。遺伝子操作により、死ぬ前の一週間だけ飛躍的な力を発揮することができる。だが、戦争が終わった今、その力を使うことはない。
そして自分の命はあと 1年。だが記憶は無いため実感できない。
そんな自分を、身寄りのない自分を引き取ってくれた人。
その人との最後の夏が始まる……。


大事な人であるがゆえに言い出せないこと。だがそれは相手を傷つけることにもなる。そして自分も。だけど、運命の日が近づくにつれて、二人の距離も近づく。
終わりはどうなるのか。それは読者にゆだねられているのかもしれない。
秀作。


最後の夏に見上げた空は - 住本優


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