彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計

朝賀 - 新年に際し、各家の代表、各州府の高官が貴陽に馳せ参じ、王と御代を寿ぐ。
貴陽に国中の要人が集まる年に一度の機会。水面下で外交合戦が繰り広げられる時節。
つい先日州牧となった秀麗と影月のアイデアを茶牧はまとめあげた。朝賀に間に合わせるために。
秀麗が説得すべきは、戸部、礼部、工部の三部署。
戸部、礼部はともかくアクの強い工部。
そこは女性が国家試験を受けること、そして女性の州牧派遣に最後まで反対した部署。
説得しなければならない。でなければ茶州に明日はない。
はたして秀麗はどうするのか……。


自らの経験の浅さを努力でカバーする秀麗と影月。
その姿を見て動く茶州の人々と全商連。
紫凛は言う。


人はね。必ず誰かに見られている。心の中にしまっているつもりでも、言葉、仕草、表情、行動の一つ一つからあふれて誰かの心に届く。善しにつけ悪しきにつけ、それこそが人を動かす。

そして動き出す貴陽の人々。同時に王のつらさも持ち上がる。
秀麗の強さが意味を持つ行方。その才能をその才覚をその地位を見出したものたち。
さらにもうひとりの州牧、影月に忍び寄る影。
はたして彼はいったいどうなるのか……。
水面下の動きがさらなる謎を呼ぶシリーズ第 6 弾。


彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計 - 雪乃紗衣


自作の感想: 彩雲国物語 心は藍よりも深く
前作の感想: 彩雲国物語 漆黒の月の宴