エマ (1)【amazon】

19世紀末の英国ロンドン。
産業革命後とはいえ、古き生活習慣と階級社会が根付く時代。
ある日、貴族のウィリアムは恩師であるケリーを訪ねにいき、そこでメイドのエマと出会う。
この時代には珍しくメガネをかけた女性。
落ち着いた立ち振る舞い、美しさに惹かれるウィリアム。
だが、父は言う。
「英国はひとつだが、中にはふたつの国が在るのだよ」
すなわち上流階級以上とそうでないもの、と。
身分の差は本人が思っている以上に深刻なものだった・・・・・・。


ヴィクトリア朝の風景が映える街並。その雰囲気は美しく描かれている。
細やかな心理描写が物語をいっそう盛り上げる。
間違いない。
この作品にはいずれ泣かされることになるだろう。
そんな予感をさせるロマンスという言葉がぴったりの作品。
全巻購入決定。


エマ (1) - 森薫