2009-01-01から1年間の記事一覧
「答えを出せなんて言って無い」 その言葉には、この男らしくない感情が含まれていた。 「ただ、向き合えと言ってるんだ」 斎条は墨の顔を覗き込んでにやりと笑った。 「お似合いだと思うんだけどね、僕としては」 イギリスへ修学旅行にいくお話。安芸の師匠…
今年は新刊を減らすと宣言して実際に減ってます。ええ、誰がなんと言おうと減ってるに決まってる(新刊は!)。その分、既刊のシリーズモノが増えましたが。だれだ、Twitterなんてものを開発した人は!あれほど、お勧め本を押し付けあうのに適したツール*1は…
今年も今日で終わりとか信じられない。年の瀬って感じがしないなあ(毎年言ってる気がする)。 昨日活動をしたせいか、体中が痛かったりしたので、ぐったりまったり過ごそうと思ったけど、ちょっとは本の整理するかなーと思ってたのに、気づいたら散らばった…
「おまえはたぶん、自分のことを、主人であるこのわたしのトンデモナイ運命に巻き込まれてしまった不運で災難な人間だと ― 自分はすべての騒動の、いわば脇役にしか過ぎないのだと思っているのでしょうね。だけど、ひょっとしたら、そうではないかもしれない…
朝、5時に起きればいいよねと思っていたのに、3時に目が覚めるとかありえない。一日持つのかなあと思いながら、家を出たら、待ち合わせ時間よりも30分近く早く着いてしまったがゆえに、寒さを存分に味わう始まりとなりました。寝不足+寒さで倒れるかと思った…
「心葉先輩は、今でも素敵です」 「う〜ん、あたしから見るとまだまだね。自分の気持をもてあましてるところとか」 真貴先輩が意味ありげに、ゆっくりと言う。 「変わってしまうことを、怖がってるところとか」 側にいるのに届かない思いが、切なくてやるせ…
「いいえ、聞きません。早急に改善を要求します。まずは、可愛がるの基本をマスターし、次に応用を求めます」 「応用ってなんだよ!?」 「応用は応用です。きっとものすごいことです」 「自分で言っててわかってないじゃないか!」 「違います。わたしはわか…
仕事納めた。ふう。 年の瀬で何かあるかと思ったらそうでもなくて、まったり終わろうとしてたのに、勤務終了直前になってでかいものが降りかかってくるから困る。容赦なく逃げたけど。こういうのは年が明けてから苦労しよう(そして明けたときには、なぜ年明…
たとえ会えなくても、月明かりに照らされていれば咲き続ける雛罌粟でいられる。月神に仕える彼がこの大地に平穏を降らせることで守ってくれているのだと感じることができる。 けれど、それでも、会いたいと願ってしまう。 寂しさは消えない。頬に触れた彼の…
「それが『負けられない』じゃなくて『負けたくない』になったんなら、出ればいいと思うな」 「『負けたくない』?僕が葛城さんにですか?」 「そう」 「そんなの無理に決まってます」 「そうかなぁ。わたしは全然そんなことないと思うけど」 葛城さんの思い…
具合が悪いのは、きっと月曜日だからだと信じてる。 っていうか、会社にいる人が随分少なかったけど……あと一日頑張ろう。うん。そういえば、明日からコミケが始まるらしいですが、ラ管連ブースでは、らのさいの本だけでなくコピー本も出るらしい。らのさい(2…
「僕は、僕はただ……僕のできることを、したいようにしていただけだよ。そうだ」 手の中の、結晶が熱い。遼太郎はぎゅっと指に力をこめた。 「つまり、ここでも―僕のできることを、したいように、いっしょうけんめいにやればいい。そういうことなのかい?」 …
「なるほど……。思わせぶりな行動はボーク、ですか……」 「ああ。大まかにはそう考えてもらって構わない」 「じゃあ、明久君」 「ん?なに?」 「ボークです」 「へ?」 「ボークです」 野球のようで野球じゃない戦いがすっげー楽しかった。秀吉の扱いがとても…
今年も、あと四日ですね。今日も一日布団の中で読書で過ごす。なんて素敵。そんな静かな一日だったけど、夜になって大興奮させられたのは、フィギュアスケートのせいです。いやあ、凄かった。我が家は揃って浅田真央選手のファンなので、アナウンスがあって…
「つまりだ。大人ってのは、単に年をくっちまった人間のことじゃないんだよ。世間で『わたしは大人でございます』ってデカい顔してる連中の大半は、ただの年とったガキなんだ」 「そうなんですか」 「うん。俺はそう思うね。ほんとうの大人ってのは……他人の…
「約束よ」 環さまが、小指を差し出した。 私は、その指に自分の小指を巻きつける。おにぎりを口実に、環さまとの関係がこれっきりにならないことを喜びながら。 「はい。環……さま」 相談にのってもらったささやかなお礼の気持を込めて、私は心の中で「……」…
AQUAとARIAを読み始めた。何この素敵物語。 水の惑星AQUAを舞台に、観光客専門の舟の漕ぎ手「水先案内人」を目指す女の子の物語りなんだけど、ひとつひとつのお話しに、うっとりしたりワクワクしたり、時に不思議な空間に紛れ込む怖さもあるんですが、前を向…
「莫迦らしい。終わっとるわけがなかろう―物事とゆうやつぁな、つながっとるかぎり、つづくものと相場が決まっとるんだ。さて、時間も人手も足りん。おまえたちにも、もうひと働きしてもらうぞ」 ここで終わるか!ごちゃごちゃになった徳永と、振り回されな…
「……あいにくわたしには話が見えないんだが」 怪訝な面持ちでじっとこちらを見すえる彼女。 「ええと、なんて言えばいいのか」 とっておきの悪戯を思いついた子供のような表情で、シェルティスは。 「モニカ、明日また僕と部隊組んでくれないかな。今度は本…
目が覚めたのは、午前三時でした。朝にもなってねえ。しかも眠れない。寝ようと意識すれば意識するほどというのは、これまでもよくあるけど……さすがに辛かった。いっそ起きてしまえと、4時半ぐらいに一度起きて、感想書いてまた横になったけど、あまり意味…
紅音の瞳はもはやピンク色だった。いつもなら殺意か狂気のどちらかに支配されているのに、男に身を任せた美少女という表現がぴったりだ。 ぽつりと呟く。 「……しても、いい……」 はい? 「しても、いいから……」 ああ、なんてイライラする展開。ナツルの鈍さは…
「少年、何をためらっているんだ?君は言ったじゃないか。鍵があるなら―」 「開けるだけ……」 「わたしは君に新しい鍵をあげるだけだ。君が頷いてくれるならね」 雰囲気はいいんだけど、鍵開けの魅力が伝わってこなかったのが残念だなあ。背景とかいろいろ物…
「あまんちゅ!」読んで面白かったとTwitterにポストしたら、ARIAをお薦めされるタイムラインになった。おう……。まあ、漫画ならいいや。折しも、ファミ通の新刊がbk1に入荷したので、ルルルやスニーカーもあわせてポチッとな。15000円超えてたけど気にしない…
「マルクさん……。マルクさんの方こそ考え直してくれませんか?」 ただ、前と決定的に違うのは― 「マルクさんがいなくなったら、みんな悲しいです」 主を裏切ったのが、マルクだということだった。 姉妹のすれ違いから始まる分裂。まさかの苛烈な展開にどうな…
今日はボドゲ。 朝そこそこ早く起きて、なかなかいい目覚めじゃないかと思ってたのに、実は時計が遅れてた罠。到着しなければならない時間に、家を出る羽目になったのは、全部時計が悪いんです。僕のせいじゃありません。しかも、財布を忘れちゃいけないぞと…
「賭けようぜ」 「何を?夕飯?」 「勝った方が告白をする。好きな子に」 どの短編も切なくて、成就されたとは言えない思いかもしれないけれど、次の恋が見える風景が素敵でした。この人のお話、ホント好きだ。→ 感想
「大丈夫、すぐ騎士団が来てくれるから」 「うん……がんばる。イスラのためだもんね」 彼女は決意を込めた表情で、彼を振り向いた。 ふたり、目を合わせて頷く。覚悟はできている。 大好きなイスラのために。 空を飛びたい、その思いだけでは許されない戦争が…
休みの前日は仕事にならん(気分的に)。いや、やることやってますけどね。午後からとある場所に向かって会議とかあったので、直帰したらいつもより早く帰れた。だからといって何があるわけじゃないけど。 で、届きましたよ。 秋田BOX、MF、SD、コバルトの新…
「それだけじゃない。理由は」 春野は二の句に詰まって冬上の白い絆創膏で覆われた横顔を見る。 「あの人に後ろめたさがある。春野もわたしも。あの人は汚いものをまだあまり知らないから、とても綺麗でまっすぐ。だから一緒にいると眩しくて、楽しくて、苦…
「共にいた時間はごく短い。だが、どうにも忘れ難い―いくつかの後悔もある。だからもし今、あの女のためにできることがあるならば、それを為したい」 そう応じたあとで、実頼はにやりと彼に笑いかけた。 「……同じ男なら察してくれよ、小僧。男なら、いい女に…