2009年に読んだ本のまとめ

今年は新刊を減らすと宣言して実際に減ってます。ええ、誰がなんと言おうと減ってるに決まってる(新刊は!)。その分、既刊のシリーズモノが増えましたが。だれだ、Twitterなんてものを開発した人は!あれほど、お勧め本を押し付けあうのに適したツール*1はこれまであっただろうか……おかげでいろいろな物語に出会えたからいいけど。
どんな物語に出会えたか、今年読んだ本を振り返ってみることにした。

2009年1月

読んだ……というか、感想を書いた本の冊数は、56冊でした。
1月はなんと言っても「運命のタロット」だよなあ。続編の「真・運命のタロット」の最終巻を読んだときの興奮は、いまだ覚えてる。第三部マダー。
そのほか「なかないでストレイシープ」や「バード・ハート・ビート」(超傑作!)が印象的でした。

新刊では、胸が痛くなる切なさいっぱいの「プシュケの涙」と、こんな部活棟があったらどんなに楽しいだろうと思った「マイナークラブハウスへようこそ!」が良かったです。
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2009年2月

感想数53冊。
既刊ものでは、運タロの続きがこの辺りまで入ってたので、他はあまり読んでないですが、霜島ケイの「聖ベリアーズ騎士団!」は、ハマりました。変人たちが集まる騎士団が繰り広げる笑いいっぱいの任務を読んでると、変人たちに愛着が沸くこと請け合いです。このシリーズに続編が出てないことを知ったときの悔しさといったら……今からでも遅くないから、集英社は出すといい。
新刊では、待ちに待った「封仙娘娘追宝録」の最終巻が出てました。あと話題沸騰の電撃文庫大賞「アクセル・ワールド」もこの月でしたね。黒雪姫かわいいよ黒雪姫。
とある飛空士への追憶」と同じ世界から生まれた「とある飛空士への恋歌」もあって、どきどきの冒険にやられた記憶ばかり。
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あと、ライトノベルじゃないですが、シャンナ・スウェンドソンの魔法製作所シリーズの「コブの怪しい魔法使い」も2月でした。絶妙な距離感を持ち続ける恋にどれほど悶えたことか。続きを、お願いだから続きを……!
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2009年3月

感想数59冊。
3月は、「有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険」シリーズを読んでました。クールというか、コラリー以外どうでもいいフェリックスと、冷たいフェリックスを怒鳴りつけつつ、気になってしょうがないコラリーの二人が繰り広げる騒動は、とても楽しいひと時でした。
あと忍法帖も何冊か読んでたなあ。「柳生忍法帖」で十兵衛にほれない人はいるだろうか?いや、ない!

新刊では、「ROOM NO.1301」や「とらドラ」の最終巻が出てましたが、印象という点から言ったら、「秋期限定栗きんとん事件」がトップですね。犯行の動機が明かされるラストに、すんごい納得させられました。
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あと、個人的に今年の少女小説の中で一番良かった作品、孤独な少女と名無しの吟遊詩人が迷宮の謎に挑む「鳥は星形の庭におりる」に出会えたのが3月でした。
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2009年4月

感想数57冊。
意外に既刊を読んでない月でした。その分、新刊が多かったかもしれない。読んだ中では、前向きな女の子たちがとても魅力的に描かれる短編集「りんご畑の樹の下で」がとても良かったです。

新刊では、後にキリトさんぱねえ!と皆が言い出す「ソードアート・オンライン」を読んで、超おもしれー!でも、どうやって続けていくんだろう?と疑問を持ったり、地図を作る話って地味に見えるのに、何でこんなに面白いんだと「星図詠のリーナ」を見て思ったりしてました。
ライトノベル以外だと、豊島ミホの「エバーグリーン」にやられました。中学の卒様式に、十年後夢をかなえて会おうと約束した男の子と女の子のお話は、歯がゆくて、心が痛くてしかたなかったけど、読み終わるのがもったいないと思うほど感動させられました。豊島ミホの作品の中では(現時点では)一番好きだなあ。ちなみにこれは西の鳩からレーザービームでお勧めされた一品です。
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2009年5月

感想数51冊。
Missing」読み始めました。面白かったけど、それほど怖く感じなかったのは、僕が怖いと思うのは、人の心だからかもしれない。そういう意味では、湊かなえの「告白」は素晴らしかった。じわじわと真綿で締め付けられて、最後に止めを刺す。悪意に鳥肌がとまらなかった。
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新刊では、なんと言っても忘れちゃいけない「BLACK BLOOD BROTHERS」の最終巻の発売です。読んでる最中に興奮させられて、読み終わった後の余韻もハンパじゃなくて。いちせさんも仰ってますが、10巻11巻というわけでなく、シリーズ後半は、すべての巻が神がかってました。この物語に出会えて良かったと、心から思いました。
最終巻といえば、「鉄球姫エミリー」もですね。初めから終わりまで戦いばかりでしたが、主役だけでなく脇役も大活躍した熱さいっぱいのお話が素敵でした。
あと、「パラケルススの娘」。これまでも面白かったけど、とんでもない化け方をしてくれたのが、この月に発売されたクリスマス・キャロルでした。やべー、ほんとやべー。12月に出た新刊もやばかったし、次が最終巻らしいので、読んでない人は是非追いかけるがよろしい。
それと忘れちゃならない「天涯のパシュルーナ(1)」。オススメなファンタジーですよ。若き山賊が辣腕の貴族に囚われ、行方不明になっていた王子に仕立て上げられて王都を目指すというファンタジー。魅力満載な人たちがコミカルにみせてくれるので、お勧めでございます。二巻も面白かった……
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一般方面では「恋文の技術」がすっごい楽しかった。森見さんお得意のちょっとヘタれな人間が、人恋しさを隠しながら(バレバレだけど)、研究室の後輩の恋の相談、先輩との因縁の対決、家庭教師をしていたときの小学生、知り合いの作家との愚痴合戦、妹への叱責などを手紙でやりとりするお話です。笑い転げるまくること請け合い。
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2009年6月

感想数48冊。
ゐんどさんから借りた雷の娘シェクティを読み始めました。読み終わってないのは、ちょっと埋もれてるからです。掃除すると見つかるんだけど、気づくと消える不思議。あと二冊なのに……。あと読んで面白かったのは、榎木洋子の「STEP OUT」。宇宙飛行士養成学校もの。仲間と共に困難を乗り越えてくって素敵ですよね。

ちなみに六月といえば、「キスだけじゃ終わらない。新・乙女系ノベル」のティアラ文庫が創刊されたことでも話題になりました(僕の中で)。キスだけで終わってないけど、それじゃ物足りないよ!という作品が多く(僕の中で)、いろいろアレなんですが、そんな中、オススメな作品は、エロさで「ヴァンパイア・プリンセス」、胸キュン度で「黒椿姫」、コミカル百合「384,403km」の三冊。特に「384,403km」は、男女共にお勧めできる。
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他にこの月は、一冊ものが良かった印象があります。切なくも温かい「花守の竜の叙情詩」、人生のやり直し「その日彼は死なずにすむか?」、進学に恋に迷いながら前を向く青春物語「恋の話を、しようか」、七夕に生まれ、共に育った五人の子供たちの友情と成長「七夕ペンタゴンは恋にむかない」、恋ができない魔法少女の恋を描く切ない物語「魔法少女を忘れない」などなど……って、ガガガ文庫ばかりですね。うん、でもいいのよ。
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おっと忘れちゃいけない「電波女と青春男」。みーまーが合わないって人でも、こっちのシリーズならいけるんじゃないでしょうか。本当に素晴らしい青春物語ですから。出てくる女の子が皆かわいく、この月に出た二巻では、あろう事か四十路な人にまで萌えさせられるんですから!時に涙をじわりとさせてくれる物語なのでぜひぜひぜひと言っておく。
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ちなみに僕はリュウシさん大好きっ子です。

2009年7月

感想数47冊。
この月、既刊本を読んでないや。

ラ管連で話題になった「紫色のクオリア」が出てました。個人的には恋愛ものだと思ってる。ドライブに酔いしれろ!あと嬉しかったのは「時載りリンネ」が出たことだなあ。このシリーズは読むたびに嬉しくなってしまうので、ぜひとも続いてほしいものです。
ラノベ部」の三巻が出たのもこの月ですが、このシリーズは三巻が素晴らしかったんですよね。7月ということは、2009ラノサイ杯下半期の対象になってるんですが、さて。
あと「戦う司書と絶望の魔王」が出てた。これはすごいとしか言いようがないお話だったなあ。最終巻でどんなドラマが待ち受けてるのか待ち遠しくてならない。
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そういえば、有川浩の「植物図鑑」も出てたけど、これ読んでるとお腹空いてくるよね。
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2009年8月

感想数49冊。
えー、この月は京都便なる言葉が実現した月でした。まだ読み終わってなくてすみません。さらに追加しなくていいから!
で、既刊ものをいろいろ読んでましたが、まあ、一番印象に残ってるのは「悪夢の棲む家」ですよね。怖くてゾクゾクさせられて、面白い。なんで続きが出ないんだ……と思わざるえなかった。あと「太陽で台風」もよかったなー。一途で明るくてまっすぐな女の子の猛アタックにきゅんきゅんさせられる恋愛ものなんで、みんな読むといい。
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新刊では……「はがない」とか「ちょコワ」とかいろいろあったけど、最終巻ものも多かったかな。「灼熱のエスクード」「学校の階段」「封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ」など、終わるのが惜しい作品ばかりでした。
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ただ、どちらかというと一般方面に収穫が多かったような気もします。
個人ヘリや介護用ロボなどがある近未来を舞台に、人の思いを描く「煙突の上にハイヒール」に切なくなり、明治末期の女郎屋を描く「芙蓉千里」に涙して、「翼の帰る処2」での病弱ヤエトの奮闘記にニヤニヤさせられましたが、一番印象的なのは「扇舞う」ですね(正確にいうとこの月にでた新刊ではないが、読んだのがこの月なので)。応義家再興を目指す幼き当主の成長物語は、やばいよやばいよ。大興奮だよ。
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2009年9月

感想数57冊。
ラ管連で言うなら、温泉オフがあった月です。あれからもう、三ヶ月たつのか。
この月から「オーフェン」始めました。秋田BOXなんてものが無ければこんなことにならなかったのに……(責任転換)。長編あと二冊残ってるんで、それ読んでからBOXいきます。短編は諦めた。そうそうニャル子さんを始めたのがこの月でした。SAN値って言葉を知ったのはこのシリーズのせいおかでです。

新刊では「15×24」が始まった月ですね。あまりの面白さに、急遽このラノに投票した思い出。代わりにピアノソナタを落としたら、同じように投票しなった平和さんが非難轟々になってたので、一緒に責めておいた。安全圏からの攻撃って素敵。
このラノ投票といえば、この月に出た「オオカミさんとスピンオフ 地蔵さんとちょっと変わった日本恋話」で、悶えまくったので、キャラ投票で地蔵さんに入れた僕がいる。
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一般方面で印象的なのは、榎田尤利夏の塩」(新刊じゃないけど)。ほもとかBLそんな目で見てないで読むがいい。泣けるから。この人の心理描写は心にくるなあ。心に来るといえば、遊女たちの切なくも残酷な思いを描く「花宵道中」もすごかった。えぐるえぐる。
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2009年10月

感想数60冊。
この月はBLを読むことが多かった。何か間違ってる。ラ管連+αな人たちの中では、まともだと思ってた人までお勧めして来るんだから……TLこわい。
そんなBLの中で、素晴らしくお勧めなのが「魔女っ子サラリーマン」。魔女だったお母さんの血を引いてるおかげで、27歳サラリーマンの男が魔女っ子になるお話。設定だけで大爆笑させられましたが、何かと仕事に役立ってしまい、取引先のクール美男子に目を付けられてしまうあたりがさらにニヤニヤ。ちなみに魔女っ子でいられるのは、純潔な間だけです。男で純潔……アッー。
あと既刊ものとして「グラスハート」読みました。音楽ものとして、青春ものとしてすばらしいものでした。新装版はもちろん買い求めますよ、ええ。
そうそう。忘れちゃいけないのが「吉野北高校図書委員会」。高校時代、なぜ図書委員会に入らなかったのか……と思ってしまう青春なお話しでした。

新刊ものでは、「さよならピアノソナタ encore piecs」が素晴らしかった。嬉しくて、涙させられて、このシリーズに出会えて良かったと心から思う。
他に面白かったのは、小川一水の「天冥の標」。十巻予定の一巻(上下巻)なのに、ものすごい引き込まれました。領主と弾圧された民衆の戦いはとても燃える。しかもあのラストは……続きはいつなのかと待ち遠しくてならない。
ラブものでは、巫女と衛士の禁忌の恋を描く本宮ことはの「雪迷宮」がよかったなあ。切々と語られる恋心に胸キュンなんですが、ラストがまた凄い。驚きと嬉しさに満ちあふれてやられるばかりでした。
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2009年11月

感想数45冊。あれ、随分少ないな。既刊ものがあまり多くなかったからかな。
この月に読んだ既刊もので印象に残ってるのは「天夢航海」ですね。無料の冊子に掲載された「天夢界紀行」の世界に憧れた少女たちのお話は、切ない嘘やさみしさがあるんだけど、人との繋がりが温かくて、いつまでも浸っていたいお話しでもありました。
あと、これは新刊にいれようか既刊に入れようか迷いましたが*2、「獣の奏者」を外すわけにはいかない。母と同じ獣ノ医術師を目指す少女エリンの成長物語は、涙なくして読めなかった。人と獣の間には、どうしたってわかりあえないことがある。でもわからないから、わかりあいたいと思うし、時にわかりあえたと感じられることがあるからこそ、また一緒にいたくなるんですよね。文庫二冊で一応の区切りは付いてるけど、続きが出てるとなったら、単行本の三巻、四巻を買わざるを得なかった。そこにさらなる感動が待ち受けてて、やばいよこの人。全部追いかけていく決意をさせられました。
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新刊ものでは、「クロノ×セクス×コンプレックス」がすごかった。タイムリープして、男女入れ替わって、魔法学校に通うってすごくね?読んでて楽しくてしょうがなかった。続きがでる3月が待ち遠しい。
少女小説方面でも当たりがありました。渡瀬桂子の「キスからはじまる契約魔法 少年魔法人形」です。見栄っ張り意地っ張りな女の子と彼女をマスターとする自動人形の毒舌少年ラスが繰り広げる学園ファンタジーもの。ツンデレとツンデレが一緒にいる楽しさが半端じゃない。ニヤニヤ、ドキドキ、きゃーと悶えさせられ、さらには学園ものな展開が待ち受けていて、三角関係までみせられちゃったら、たまりませんよね。続き出てくれると嬉しいなと思いながら、全力で勧めてみる。
あと、スニーカー大賞の「シュガーダーク」も良かったな。労役少年と墓守り少女の恋っていいよね。
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2009年12月

感想数55冊。実は既刊ものをほとんど読んでないのは、MW文庫のせいです(言い訳)。
というわけで、選ぶとしても一冊ぐらいしかないんだけど、その一冊が素晴らしかったので文句ない(誰が文句を言うんだ)。「獣の奏者」の上橋菜穂子の守り人シリーズ「精霊の守り人」は、面白くて面白くて。続きが読みたくて、でも読むのがもったいなくて、いまシリーズを集めつつ、読む時を待ってる。

新刊では、冲方丁を忘れるわけにはいかない。シュピーゲルシリーズの最終章「テスタメントシュピーゲル」には、凄いという言葉で圧倒され、江戸時代の碁と算術と暦作りを描いた「天地明察」は、大興奮に包まれ、涙しまくったお話でした。今年のベストは何?と聞かれたら、「天地明察」と即答できる
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この二冊が飛び抜けてますが、そのほかでは、MW文庫の「シアター!」「ケルベロス」「[映] アムリタ」が良かったな。万人にお勧めな「シアター!」と、武侠もの好きにお薦めな「ケルベロス」、「[映] アムリタ」は……どのあたりに勧めればいいんだろ。コモリさんが好きな人とか?
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で、普通にライトノベルで印象的な作品をあげるとなると「とある飛空士への恋歌(3)」ですね。涙なくして読めなかった。
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今年一年を振り返って&来年の目標

感想数637冊でした。読んでる冊数はもうちょっとあるけど、だいぶ減ってきたなあ。にも関わらず、いい本にたくさん出会えたのは嬉しいかぎりです。
毎度毎度、新刊よりも既刊を……といいながら、なかなかそちらに重点を置けてませんが、来年こそは頑張ります。っていうか、新刊も読みたいなら、もっと時間を作るべきだから、やっぱり感想減らすか。
というわけで、来年の目標

  • 新刊減らす。積本減らす。感想減らす。本読む。(2009年比)

というわけで

みなさま、良いお年を!
来年もよろしくお願いします。

*1:だたし僕は勝てない

*2:別にどっちでもいいんだけど