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「わたしはずっと、パメラを信じてるわ」 「あたしの何を信じるの?」 「わたしの友だちは、パメラのなかにいる。どこにいても、離れても、パメラの心のまんなにいあるものが、ずっと何も変わらないって信じている」 まったくイアンって人は!パメラの恋が描…
女は、愛する男に剣を向けた。 男は、愛する女に剣を向けた。 愛する民を守る為に。 愛しているのに、殺し合うとか、おヤバい。展開としては、特に捻りはないですが、良い意味で王道でした。面白かった。→ 感想
まったく。 こいつらのしていることは、本当にバカみたいだ。 だけど。 ……やっぱり、少しうらやましい。 お約束のように鈍い佐東君でもドキドキしちゃうぐらい、竜ヶ峯の可愛さがこれでもかと描かれていて、どうしてくれようかと思いました。楽しいなあ。ま…
「しきたりなのです」 その音声は静かで、揺ぎ無く、聞く者を黙らせる何かがあった。 「この館では、鏡を見ることが禁じられています。みなさんも手鏡などお持ちであれば、部屋に入る前にお預け下さい」 始まりからして、ミステリな雰囲気でワクワクでした。…
「落ち込めと言ってるわけじゃない」 真摯な青い瞳がエステルをとらえた。 「さっきも、それから祭りの前に行き詰まった時も、おまえは逃げ出すことなんて考えなかっただろう。怖かろうが自信がなかろうが、あきらめずに努力して立ち向かう。おまえは、よく…
「『感動に素直になれ』――ああ、そうさ。アイツは何処に足を運ぶにしても同じことを俺に言った。大陸を巡り、七海を渡り、世界の遺産を見て回って、俺に山ほど感動を分け与えて――世界を壊さないよう、俺に感動を植えつけたのさ」 相変わらずの痛快さを見せつ…
「俺の考えが本物かどうかわからないんだよ。どうやって判断したらいいと思う?」 「うん、その考えは、なにもしないでそのままだったら、偽物かもしれないよね」 話す円城寺は、少し得意げだった。 「だから行動して、自分で『本物』にするんだよ」 なんて…
「それでは、<アルス・マグナ>に思い知らせてやるとしましょう――」 「――ヴァレンシュタイン家に仇なすことが、どれほど割りに合わないことか」 まさに最終巻という感じの盛り上がり!オールキャスト大活躍で面白かった。→ 感想
「天人なら、あれくらいのことは誰にでもできる」 「いいえ、できなかったわ」 杏麗は首を横に振った。 「私を守ってくれたのは、あなただった。他の神様や仙人じゃなくて」 なんだこの甘いお話は。展開としては、あっさりしていて、大きな起伏があるという…
「なんだよ、心配させやがって!」 涙ぐみ、彼は言った。 「おかえり、【黒い羊】!」 悪魔ーーーーーーー!→ 感想
「ぼくはたしかに、幸運な人間かもしれない。でも、幸運はぼくをときどき不幸にします」 とても優しいお話だなあ。若くして作家になり、独り立ちせざるを得なくなった家庭の事情があって、いろいろなことから目をそらしていた響呼が、ひとつの出会いから、優…
「そ、そのような犠牲は天命が変わるときには、つきもの……」 「それが、天の定めた運命ならね。だが、今、人界をいじろうとしているのは、君の手だ。君こそが、この世界に戦争をもたらし、人々を植えさせ、世界を焼き尽くす。それだけの罪を君は背負えるの?…
「どうする、これから?」 「悠長に構えてる余裕はなくなった。体勢を立て直して、一気に突っ切るしかなさそう」 「やるしかないか」 「やるしかないわね」 ついにきたか!革命が始まっていく展開が熱い。→ 感想
「おまえがアラアラシを連れてきたんだ。お前が無界に入って……こいつ、ケガレだ!こいつが群にアラアラシを呼んでやがるんだっ。ケガレだっ。ケガレの娘だ!」 猪突猛進というか、少女の揺れっぷりがもどかしくいんだけど、不義の子たる皇子とのやり取りから…
「逃げてしまえるほど弱くはなれず、貫き通すほど強くもなれなかったのなら、地べたに這いつくばっていればいかが?」 サアラの行動が痛快でたまらない!相手を思っての言葉ではなく、自分の良いように、言うなればワガママとしか思えない言動をしているのに…
「私たちって何の会社の社員だっけ?」 「……クレジットカード、ですけど」 「『クレジット』は『信用』って意味だよ。信用取引の世界に生きる私たちが、人を信じられないでどうするのよ」 何このホワイト企業……始めてのお仕事で、ミスをすることも多いけれど…
「だから、あなたがアリスを守って。その代わり―」 ジルは、ジェレミーの唇に人差し指を当てる。 「あなたの操作に手を貸すわ」 面白かったー。謎解きとしては物足りないんですが、むしろこれは冒険ものと捕らえるほうがいいんでしょうね。いっそ天晴れな悪…
「俺が訊いているのは、俺と話すことが、おまえにとって迷惑かどうかということだけだ」 やっぱりこの二人はいいな。不器用な思いのやりとりに、にやり。→ 感想
「こちらこそ、来年もよろしくねっ!バーカ!」 まさかまさかの熱き青春物語にやられました。→ 感想
「先生、わたくしが吸血鬼であること、本当にずっと秘密にしておいてくれますか?」 ちょっとレトロな雰囲気もいいし、ドキドキさせつつも、どこか抜けたところのある二人のやり取りが楽しかった。これは続きが楽しみだなあ。→ 感想
「あたしは決断したの……。一番大切なものを守るために。だから、王宮を出たの」 「あなたは、決断することができる?一番大切なものは、何?」 好きな人のためを思ったこととはいえ、忘れ去られることの何と苦しいことか。王妃を騙ったとして糾弾しに来たシ…
「人間は人間と。妖精は妖精と。同族同士で生きるのが幸せだ。そうだろう。もしほんとうにシャルのことを思うならば、彼が妖精の仲間と生きられるように、おまえは努力すべきではないか?」 相手の幸せを思うが故に、近づけないという二人の思いが切ない。傍…
「カイルさん、ご武運を!」 もう長い時間逃げまわって疲れてきていたはずなのに、足が軽くなった気がした。彼女の一声はいつも背中を押してくれる。 ラブコメ模様の動きもさることながら、記憶をなくし、ただひとつの目的だけで動いていたネーフェが、もう…
「そ、そういえば、わたし、パイ作りの途中だったのです。もうパン焼き室に戻らなくては」 「後にしなさい。私はパイよりもあなたの甘い唇を所望する。私のキスを受けて日向に置いたバターのようにとろけ、恍惚と崩れ落ちるあなたの可愛い顔が見たいのだ」 …
「見つけに行くしかないんだよ。失ったものは話し合いでは戻ってこない、失った場所へ見つけに行くしかないのさ」 モニカの思いがやるせなかった……でも、それを引き上げる仲間の絆が素敵。副題から連想されるものがあるだけに、此処から先が楽しみです。→ 感…
「違う!その……、君があまりにも魅力的だからだ!美しくてか弱い女性は、無闇にそのすばらしさを男に教えてやると危ない!……まあ私は騎士だから、誘惑に乗ることはないが、他の男には絶対……」 おいなんだこの可愛い二人は!引っ込み思案の悪魔が惚れ薬を飲ん…
「俺はさ、幽霊は、成仏するべきだと思う」 前だけを見て、振り返らずに彼は続ける。 「幽霊は哀しい存在だ。だから、どんなに辛くても、一緒にいたくても、成仏しなきゃいけないんだ」 この雰囲気は良いなあ。孤立していた少年の秘められた思いが切々と描か…
「アンタの気持ちはアンタのものでしょ。否定はやめたら?」 「え……?」 「アタシが名前を否定しちゃった時、哀しかったんでしょ?いまのきもちを否定したら、今度はアンタの心が哀しいって泣くんじゃない?」 水戯団におけるやり取りとかとても良いものだっ…
「あなたは、どんな憎まれ口を叩こうと、すねようと、怒ろうとかわいいですから」 「あなたにとっては、でしょう」 「何か不服ですか。好いた人に好かれる。それ以上のしあわせがあるとでも?」 短編小説+漫画が収録されてる短編集。ああ楽しい。漫画になる…
「さぁ、やろうぜマゾダチ。どうやったら一番愉しいか考えよう」 蜂須が俺に向けて金属バットを掲げる。 「囚われたアホなお姫様を救出しに行くのは、マゾの使命だ」 遠いようで、実は身近なんじゃないかと、そう思える歪みにぞくぞくする。今回は盛り上がり…