至道流星

羽月莉音の帝国(9)

「どうする、これから?」 「悠長に構えてる余裕はなくなった。体勢を立て直して、一気に突っ切るしかなさそう」 「やるしかないか」 「やるしかないわね」 ついにきたか!革命が始まっていく展開が熱い。→ 感想

羽月莉音の帝国(8)

「あなたがたは詰んでいると私は思う。崩壊は免れえないでしょう。国際商業銀行の破綻は世界経済にも少なからず影響を与えますから、そのときはまた我々のビジネスチャンスでもあります」 「お言葉ですが、そんなことはありません。我々は必ず復活します」 …

羽月莉音の帝国(7)

「……お、お父さん」 「さあ行くんだ、莉音」 「……でも」 「フラフラするんじゃない。他人を犠牲にしてでも成し遂げたい目標があるのなら、自分の犠牲も顧みちゃいけない。覚悟を持て」 革命部VSロシア。宇宙ロケット成功を受けて、命がけの逃亡劇へと移り変…

羽月莉音の帝国(6)

「海胴とは、絶対に折り合わないと思っていたけれど……」 莉音のつぶやきに、郭首相はうなずく。 「はい、海胴先生とあなたがたは折り合わないでしょう。あなたがたと私も違います。私と徐先生もまるで違う。それでも、私たちは理解し合える」 痛快劇を描きつ…

羽月莉音の帝国(5)

ローザに忠告されたとき、「何が起こっても断固として強行突破しよう」という決意を固めたつもりだった。どんなことでも乗り越えてみせるつもりだったし、その自信が俺にはあった。 しかし……。 この数十万の大軍団を、どうやって突破しろと? 恒太の大言壮語…

羽月莉音の帝国(4)

敵がわからない戦いが、こんなにも苦しいものだとは知らなかった。 速水の株買い占めでは、速水社長がターゲット。 銘広社の再建では、東丈会がターゲット。 アクアスのTOB戦では、立花社長がターゲット。 だが今回は、敵が定まらない。たしかに誰かが、俺た…

羽月莉音の帝国(3)

「それにしても……立花社長なら、こんなふうに必死で前日に記者会見の想定を考えなくても、即興でどんどんやっていけるんだろうな。つくづく自分の経験の足りなさを感じるよ」 「経験?それがどうしたというのだ。巳継、お前には優秀なブレーンがいる。立花は…

羽月莉音の帝国(2)

「……そんなバカな。業績が低迷してた速水の乗っとりと規模が違うんだぞ……。速水の時価総額1200億円、アクアスは1兆9000憶円だ。子供と大人どころじゃない。アリと象くらいのちがいがある」 「おもしろい戦いでしょ。あの自信みなぎる社長に、私が一泡吹かせ…

羽月莉音の帝国

俺たちは沈鬱な面持ちで、柚さんの輝くような微笑を、ただただ呆然と見つめ続けていた。 部費1000円、莉音のポケットマネー5000円、借金276万8000円也。 どうしてこうなった。 建国目指して革命部を作った高校生たちが、まずは資金集めをするために事業展開…