青木祐子
「わたしはずっと、パメラを信じてるわ」 「あたしの何を信じるの?」 「わたしの友だちは、パメラのなかにいる。どこにいても、離れても、パメラの心のまんなにいあるものが、ずっと何も変わらないって信じている」 まったくイアンって人は!パメラの恋が描…
「キスしたいか?」 「……うん」 「きみからしてもいいんだよ?たまには」 「そんなこと、できません」 「俺がしてもらいたいって言っても?」 ぶっちゃけこの巻で終わってもいいぐらいにいい雰囲気で終わっていましたが、まだ続くのか。見えてきた希望がつか…
どうして、自分から周りの人間をはねつけたりするの? どうしてもひとりでいたいのなら、わたくしが見ていてあげる。 誰も注目しなくても、わたくしだけは、あなたのそばにいてあげる。 笑って。 シャーリーが可愛いったらない!→ 感想
「わたし、ずっとあなたのことを好きでいていい……のかな」 最後に驚きの出来事がやってきたので、もう、もう!あれはイラストと合わせて破壊力がすごかったです。でも、それを吹き飛ばすのも……→ 感想
「俺にできることは?」 「あるわけないでしょ。これまでどおり、冷たい宝石でいることだわ。あなたが幻滅されたらクリスの格が落ちるのよ」 周囲に結婚を反対される二人のお話しですが、こういうとき男ってダメですね。シャーリーが落ち着かなくて、もう、…
「……キスしていいかな」 クリスは、ほのかに顔を赤らめた。 「なんで、そんなことを……訊くの」 「……いやじゃないかな、と思って。ひさしぶりだし」 「わたし……いやだって思ったことは、一回もないの」 シャーリーのじりじり・でれでれっぷりが楽しくて頬ゆる…
クリスの胸の中で、暗いものが少しずつ、頭をもたげてくる。いつかのように。 わたしは、簡単に思うままにならない―。 クリスが頑張るお話しでした。いや、頑張るというか、危ういというか。母を思うが故に、変な方向へいっちゃうんじゃないかと思ったけれど…
馬鹿は、わたしだ。 自分から、手を放した。たったひとつの、大切なものを。 何この胸が痛くなるお話……どちらの気持ちも分かるから、遣りきれない。今回のお話しでやられたと思ったのは、恋のドレスと闇のドレスです。まさか、闇のドレスがあんなところで使…
「ふたりとも元気だったか?」 アントにーは数秒迷ったすえ、思い切ったように言った。 「いいえ。『薔薇色』は、閉まっていました。ふたりとも、いませんでした」 シャーロックは思わず、アントニーに目をやった。 「ふたりとも、いない?」 ここでおわるか…
どうしてイヴリンはユベールでなくてはならないのだろう。 まるで緩慢な自殺のようだ。恋に溺れて、自分からすすんで堕ちていっているようだ。 シャーロックはふいにぎくりとし、違う―と、自分の気持を打ち消す。闇のドレスや恋のドレスなど関係ない。 人を…
「こんにちは、アイヴォリー。また会うなんて、思わなかったわ」 アイヴォリーは、ほほえんだ。 春風のようなほほえみ。美しい笑み、魅力的な男。それだけは認めなければならないだろう。たとえ今が、春でなかったとしても。 アイヴォリー……十四歳のパメラを…
「恋っていうのは、とても勝手なものね、パメラ。簡単なことで傷ついてしまうし、いつのまにか人を傷つけてしまうんだわ」 「その分、強くなれるわよ」 「強くなりすぎるのも、怖いと思うわ。好きな人のためだって思ったら、どんなことでも平気になってしま…
「恋は落とし穴なのですよ、アディルさま。油断して歩いてるときに落ちるのであって、一晩に二回はありません。相手にその気がないならなおさらですわ。だから、わたくしは舞踏会までシャーロック様と極力連絡をとらないで、顔も合わせないように、と言いま…
「コーネリアには言っていないが、だぶん、言ったら承諾するだろうよ。きみは女性にとって魅力的な男だと思う」 「……そんなことは」 「事実だよ。きみとアディル・オルソープ嬢との間に、婚約の話がもちあがっている、ということも知っている。だからこそ、…
「わたくし、ずっとあなたのことが、忘れられませんでした」 シャーロックは、目をすがめた。 サラはシャーロックから目をそらさない。大きな瞳が少しだけうるんでいる。 「つまり?」 「わたくしの口からは、言えませんわ」 いつもどおりのもどかしさと、恋…
「わたし……どうしたらいいと思う?」 「あんたがどうするのか決めるのは、あたしでもリンダでもないわよ」 パメラらしい答えだった。クリスは思い切って言う。 「怖くなったら、逃げてもいいと思う?」 「逃げるのは悪いことじゃないわ。好きなようにすれば…
「恋人?」 「友人よ」 「たくさんいる友人のひとりってわけか。美人売り子のミス・パメラ。今度俺も『薔薇色』へ行くよ」 「ぜひいらして。あなたの恋が実ることを祈ってますわ」 「売り子の恋とは違うんだよ」 「笑うか泣くかどちらかしかないことは同じだ…
「いいえ、―大丈夫です。お願いですから、放っておいてください。せめて、あと少しの間。 わたしは、あなたのしあわせを、お祈りします。きっと、できますから」 だめだ、と思った。もうだめだった。クリスはうつむいた。手で押さえたのに、涙が、ぽたりと床…
「もっと早く言ってくださったらよかったのに」 「言いたい気分にならなかったんだ」 「あなたはいつもそうやって、わたしを助けるのか、困らせるのかわからないことをするんだわ」 「じゃあ、もう来ないほうがいいかな?」 「いいえ」 頭で考えるより先に答…
「……昨夜のことは、忘れてください。わたしも……忘れますから。酔っていたんです」 シャーロックの瞳が、クリスを見つめている。どこか怖いような、深いまなざしだった。 クリスの胸がずきんと痛む。 「俺は、忘れないよ。きみも忘れないで欲しい」 相変わら…
考えることはたくさんあるはずだが、最近ではあれこれ計算するよりも、クリスとともにいたいという気持ちのほうが強くなっている。 ― これを、恋と呼ぶのだろうか。 これを恋と言わなかったらなんと言うんだ!? → 感想
逃げるつもりはなかった。自分がアイリスを追ってきた意味がはじめてわかった。 大切な人を守れないのなら、貴族である意味などない。 だんだんと闇が見えてきたかな。そろそろ二人の仲の進展もみたいところ。→ 感想
「せっかくだからきれいにしていきなさいよ。このところあんたもあまり自分にかまっていられなかったようだし」 「え……い、いいわよ。いつものとおりで」 「おわびのしるしよ。まかせて」 パメラはさっさとクリスのリボンをほどき、黒髪を肩に流れさせた。 …
「恋ってものを、頭の中でお考えになりすぎなような気がしますわ、イアン先生。結局、愛よりも条件にこだわっているのは先生じゃないかしら」 「や、そんなことは……」 「恋っていうのは、心でするもの。心臓を打ち抜かれるのに時間はいりませんわ」 「でも、…
「ねえ―クリス」 パメラが言いかけた言葉を、クリスは想像できた。シャーロックに頼んでみたらどうかしら―。 クリスは小さく首を振った。 前作よりもはるかに面白い第二弾 → 感想
優しい雰囲気の物語 → 感想