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「人並みに女の子が大好きであることは否定できないけど、二股とか浮気とかで傷つけたくないよ。でもさ、そう思っても僕はいつだって女の子を傷つける」 女と見ると口説く様は、どうにもアレなんだけど、だんだんと格好よく見えてくる不思議。ラブコメ部分は…
「火は善でも悪でもないよ、ソフィア。本当に怖いのは火が本を焼くことじゃない。― 人が本を焼くことだ」 いやー、いいですね。恋に気づいていく過程というのは!ニヤニヤが止まらないったらない。悪い虫を追い払おうと神出鬼没なお兄様の過保護さも楽しいけ…
「悪い人ですね、お兄様は」 「今更だな、深雪」 いろんなところで格好いいシーンがあるし、どのキャラクタも魅力的だし、終盤の盛り上がりとかとてもいいんだけど、どうにも読みづらい。説明が妙にくどいからか、視点がころころ変わるからか。面白いのに、…
「麗羅は市夏の何処を好きになったの?」 「……夏が好きだったんだよ。多分、そういうことだ」 なんて不器用な人たちなんだろう。それぞれの家族に降りかかった出来事は、たしかに悲劇だと思う。それゆえに歪んでしまった思いは、止めようがなかったとは思う…
「伊織さん……あなた、これからどうするの?」 「行けるところまで行きます」 「このまま戦い続けるってこと……?」 ひとつ区切りがつき、それでもまだ戦いは終わっていない、か。いつかは見つかるかもしれない可能性を胸に、仮にたどり着けなくても、家族を守…
「……なんだ、あの二人が仲良しでいらっしゃるかぎり、すべては平和なような気がしてきました」 ミレーユにしろリヒャルトにしろ、お互いが相手のことを思っての行動であることが随所に見えて、微笑ましくなる旅路でした。それぞれの過去を見つめなおすような…
「だから、アレの感想を聞いているのよ。生まれて初めて乗るASって、どんな感じだったの?」 「それは―」 たとえ僅かな時間、それも借りものであっても、あの時あの<シャドウ>は間違いなく彼の相棒だったのだ。それに嘘をつくことなど、できはしない。 「……
「昔から、私のことを……?」 「ああ」 フォースが笑顔に戻った。とろけるような甘い笑みを浮かべる。 「愛しているよ、ディアレンシア」 これは……重い。カイエンの事情はわからなくもないだけに、光を手に入れるための方法を間違えたことが、なあ。豪華であ…
「あなたがたは詰んでいると私は思う。崩壊は免れえないでしょう。国際商業銀行の破綻は世界経済にも少なからず影響を与えますから、そのときはまた我々のビジネスチャンスでもあります」 「お言葉ですが、そんなことはありません。我々は必ず復活します」 …
「今、貴様がすべきは決断だ。『最後の王』を前にしてもリスクを冒さず、逃げ去る術を模索するか。あるいは、すべてを手に入れるために最後の切り札を切るか。ふたつにひとつだ」 相容れない似たもの同士の神殺しが同じ地にいたら、そりゃ争いが始まらないわ…
「ちゃんと言えなかったけど、好きでした」 ああ終わっちゃったんだなあ。でもなんか先を感じさせる物語でよかった。→ 感想
「こ、交換日記じゃないなら」 「……何だよ」 「交換日記じゃないなら、キアスくんは両思いになったら何するの?」 両思いになっても、言動がズレてるおかげで、いろいろ楽しかった。我慢の男の子は大変だ。恋だけでなく、友情ものなお話が良いものでした。さ…
「アティ、約束してほしいな」 「なんでしょう?」 「年が明けて最初の挨拶は、絶対に私が相手だよ?」 「……はああ?」 たんに煽ってるだけかと思ったのに……サリアン様がこんなにも責めてくるなんて!笑顔がうざ眩しい。振り回されることになったネイトも辛…
(これが神々……?ちがう!こんなの、ただの―) 「怪物……?」 神話の眷属との戦いと、それを打開する展開に目が離せない。一気読みでした。いろいろなところでつながりが見えてきたけれど、さらに生み出されるものがあるのか……次なる最終巻でどんな結末を迎える…
「いえね、私も、前々から興味があったんですよ」 澱切と名乗った老人は、優しい笑みを浮かべたまま、静かに言葉の続きを告げる。 「ダラーズとかいう、実に若々しい、健全な集団にね」 もう何がなんだかと言いたくなる。いろいろ絡み合ってるけれど、まだま…
『うふふ、責めてないわ。大切なものって、そういうものよ』 『誰もが持ってる大切なものは、そのために自覚的無自覚的に他のものを犠牲にして、その屍の重さでどんどん重くなっていくのよ』 『それで気づいた時には……もう重くて、両手から下ろせなくなって…
「一度言いそびれた言葉って、なぜかどんどん毒素を出すんだよ。なんてことない話でも、貯めておくと有害になるの。時間が経つほど、やばくなる。なんでもさらーっと言えれば、それが一番マシなんだ」 感情なんてものは、すっきり線が引けるものじゃないから…
「もうすぐ来将軍が戻ってくるはずだ」 頭の上に置かれる、乾いた手のひら。 「それまでに絶対泣きやめ。ほかのやつに、そんな顔を見せるな。わかったか?」 いやー、楽しかった。ふたりの距離が少しずつ変わってることが見えてくるのは、良いものです。いい…
「そいつらって……」 「そう、『ヤツら』さ」 バードウェイはそう呟く。 「ようやく本題に入ることができた訳だ。あの第三次世界大戦を経て、『ヤツら』は生まれた。世界の暗い所で、多くの者にとっては、その法則も分からない力を振るってな」 これまでのお…
「かかし頭は、なんでもすぐに忘れる」 意地悪な睦言のように、声が甘い。 「これだけは覚えておけ。ずっと、そばにいる。おまえを守る。誓う」 今回は何かとシャルが動いていたなあ。モヤモヤした思いを抱えて、時に嫉妬して、それはすべてアンを思う気持ち…
「……意外におれたちで何かやるのって難しいな」 相変わらずの金銀天使たちの痛快劇でした。いや、それでもちょっと地味になってるあたり、一般市民……遠いな。新キャラがいい感じですが、かの怪獣夫婦と出会ったらどう思うのか楽しみ。→ 感想
「以前のそなたは、魔術師の妻になるなどお断りだと申していたが」 「あなただって、愛なんてたわ言だって言ってたわ」 アドリエンヌは、やりかえした。 「わたしが間違っていたと認めよう」 ドナティアン・シャルルは、彼女の額に軽いキスをした。 「たしか…
「……否定するのはお前じゃなくて、お前の魔術を、だよ」 俺は、るうるのふわふわした頭に手を置く。 「いなくなったりしねえよ。心配すんな」 皆でひとつの謎に挑む、その雰囲気がよいものでした。謎そのものは、タマキがいなければどうにもならないものだっ…
「こ、今後貴方は桜子とどう付き合っていきたいと思いますか!」 「是非とも清く正しくいやらしいバカップルでお願いします」 「今まで我慢していたけど君は馬鹿じゃないの!?」 「愛って躊躇わない事だと思いませんか?」 「ダメだ話が通じない!」 ああも…
「いい加減にしてくれ、東宮と二条の姫の誘拐騒ぎだけでも頭がいたいのに、あと二つも大きな面倒が起こっているだと?悪い冗談にもほどがあるぞ……!」 終わってみたら、この誘拐劇があったからこそ、宮子と次郎君、そして真幸は、心に折り合いをつけることが…
「ぼくたちは大学のときあらゆる問題について議論を重ね、時には実践から学ぶことを試みたじゃないか。ぼくはいま、きみを愛していると言い、きみはそれが幻想に過ぎないという。どちらが真実か確かめるために、ぼくの欲求を満たしたうえでの気持ちの変化を…
「ならば、あなたはいつ弱さを見せるの」 「――たった一人になった時だ」 他国との戦にしろ、後継者争いにしろ、常に劣勢の立場でいるにも関わらず、内心を悟らせず傲慢な態度を貫き通し、真実と嘘を織り交ぜながら、人を動かし、ひっくり返していく、そのハ…
「褒めてるよ。真っ直ぐ。素直。純粋……打算も何もない。危なっかしいけど、君の長所」 イリスはどう返せばいいのか解らなかった。 「……君なら何があっても、ぶれずに『僕』を見てくれるんだろうね」 恋人になって甘いやり取りが始まったと思ったら……不穏な空…
「あたし、思うの。完璧な人なんてどこにもいない。だから、仕事っていうのは誰かと一緒にやって、お互いに欠けている部分を補い合えるようにしている。もっと言えば、仕事っていうのは絶対に一人じゃ出来ないものなんだよ」 ふたりの距離が縮まってるのが見…
「なんで俺がそんな事をしなきゃならない?」 「できることをやるしかないからです。時間を戻すとか、生き返らせるとか、そんな事は不可能だから。だからせめて、あの二人が最後に見ていた夢を、代わりに果たすんです」 ただ、思いを届けるだけではなく、そ…