渡瀬草一郎

輪環の魔導師(9) 神界の門

(これが神々……?ちがう!こんなの、ただの―) 「怪物……?」 神話の眷属との戦いと、それを打開する展開に目が離せない。一気読みでした。いろいろなところでつながりが見えてきたけれど、さらに生み出されるものがあるのか……次なる最終巻でどんな結末を迎える…

輪環の魔導師(8) 永き神々の不在

「私ならば、貴方達を保護できます。聖教会に捕まれば、セロニウスはストラーダと同様、利用された後で、その力に恐怖した人間たちによって殺される ―― 逃げ続けることにも限界があります。アルカインたちは信頼できるかも知れませんが、彼らだって ――全てを…

雪逢の狼 陰陽ノ京 月風風譚 弐

「ならば、貴公には伝言を頼むとしよう。貴族に飼われる道士どもよ、我を止められるものなら止めてみせよ。我は白山 ― この名に覚えがある者が、まだこの地におるかな」 こういう気高き狼と戦わねばならないことがやるせない……陰陽寮に恨みを持ちながら、強…

輪環の魔導師(7) 疾風の革命

「もう気づいているみたいだね、セロ。最近、無理に明るく振る舞っているように見えるよ。できれば隠しておくつもりだったけど、セロ自身が気づいているなら、そろそろ話した方がいいかな」 ラストに向けての盛り上がりがたまらない!まさか魔族がこんな形で…

陰陽ノ京 月風風譚 黒方の鬼

「共にいた時間はごく短い。だが、どうにも忘れ難い―いくつかの後悔もある。だからもし今、あの女のためにできることがあるならば、それを為したい」 そう応じたあとで、実頼はにやりと彼に笑いかけた。 「……同じ男なら察してくれよ、小僧。男なら、いい女に…

輪環の魔導師 6 賢人達の見る夢

「聖教会所属、第十八遊撃強襲部隊、ロンドロンド騎士団と申します。以降、生き延びることができましたら、お見知りおきを」 この自己紹介をうけて、アルカインはいよいよ目許を歪め、遂には舌打ちを漏らした。 「……魔族のほうが、まだましだ ―」 新章スター…

輪環の魔導師 5 傀儡の城

「協力って……僕に何をさせる気だ?」 「協力は協力よ。私ね、アルカインが欲しいの。だからもし、貴方がアルカインを生きたまま捕まえることに協力してくれたら、あのフィノって子も助けてあげる。アルカインも魔族の仲間になるし、みんなで幸せになれるわ。…

輪環の魔導師 4 ハイヤードの竜使い

「僕がいうことでもないけれど、フィノはもう少し、自分の血筋とかを大切に思ってもいいんじゃないかな?」 「でもね、血筋なんて邪魔なだけだよ。お父様なんて、血筋のことを理由に私とセロを引き離そうとしたじゃない。あの時なんて私、もう少しでお父様を…

輪環の魔導師 3 竜骨の迷宮と黒狼の姫

ロンバルドの街でのこと。 フィノ専用の毛布を買おうとしたアルカインに、彼女はにっこりと笑顔を見せて、こう呟いたのである。 アルカイン。私、貴方とは仲良くしていきたいの。だから……わかってくれるよね? 美しい少女の可愛らしい微笑みにぞっとしたのは…

輪環の魔導師 2 旅の終わりの森

「あのさ、フィノ。部屋は一緒なんだから、せめて寝台は別々にしとこうよ。野宿の時は、まともに手足を伸ばして寝られなかったし……フィノだって、慣れない旅で疲れているだろ?わざわざ一つの寝台にしなくても―」 それはごく常識的な意見のはずだったが、フ…

輪環の魔導師 闇語りのアルカイン

「お前と距離を置くようにと、そう諭した。出て行けとまでは言っていないが、聡い子だ。きっと彼は自ら……」 「――許さない」 フィノはぽつりと呟いた。自分の中の黒いものが、心の奥底からぞわりと湧き上がる。 その魔物に身を委ねつつ、フィノは養父を見つめ…

空ノ鐘の響く惑星で 外伝 ―tea party's story―

「情熱的過ぎて、少々、お子様には刺激が強かったみたいですね。ユキノ、困っているみたいだから、一つだけ助言をしてあげます」 眼鏡の奥の冷たい目が、シルヴァーナを見据えた。ハーミットには聞こえぬ程度の小声で、細く囁く。 「……貴方が要らないなら、…

陰陽ノ京 巻の五

「ならば問おう。〝生〟とは、どういうことかな?」 「次の世に、自分とは別の命をつなげられること……それが、生というものだと思う」 「これこれ。その論法だと、子を生めぬ者は死者ということにならぬか?」 時継は静かに、首を横に振った。 「命をつなげ…

空ノ鐘の響く惑星で12

「早く行け。汝は何のために、ここまで来た?」 真剣な声に叱咤されて、フェリオは歯を食いしばった。 「我はこの世界では罪人である。いまさらに償えるとは思わぬが、それでも我は、この地に暮らす人々の明日を護りたい。もし我の志を信じてもらえるならば…

空ノ鐘の響く惑星で11

最初に目に飛び込んできたのは、乱雑な筆遣いで走り書きされた少女の横顔だった。 リセリナは、呆然とそれを見つめた。 〝あの子は、元気にしているだろうか ― 私はこの世界に来てから、毎日、そのことばかりを考えている〟 そんな書き出しで、日記は綴られ…

空ノ鐘の響く惑星で10

神姫素敵すぎ → 感想

空ノ鐘の響く惑星で6

ウルクの危機! 感想: http://www.booklines.net/archives/4840229384.php

空ノ鐘の響く惑星で5

またウルクが ;; 感想: http://www.booklines.net/archives/4840228469.php

空ノ鐘の響く惑星で9

戦乱の後始末とお披露目と旅立ちな物語 感想: http://www.booklines.net/archives/4840232415.php

空ノ鐘の響く惑星で4

ウルクの決意とフェリオの活躍! 感想: http://www.booklines.net/archives/4840227586.php

空ノ鐘の響く惑星で3

「どんな時にも尊いものですよ。人が人を想うことは」いや、まったく。 感想: http://www.booklines.net/archives/4840226865.php

空ノ鐘の響く惑星で2

ウルクに注目!な展開 感想: http://www.booklines.net/archives/4840226032.php

空ノ鐘の響く惑星で

面白さ抜群のファンタジー 感想: http://www.booklines.net/archives/4840224870.php

空ノ鐘の響く惑星で 8

倒れてから既に一週間。脳の負担が激しく、記憶だけでなく感情すら失ったウルク。 そんな彼女を見守るフェリオは悲しみに包まれていた。 フェリオに掛ける言葉が見つからないリセリナ。だが彼女にも悲劇が襲う。 「おそらく、エルシオン博士は……」 ムスカが…

空の鐘の響く惑星で 7

強いというほどではない。 だが疲れを知らず、痛みを知らず、恐怖を知らず、ただ剣を振り回す敵。 倒しても倒しても「御柱」から出てくる死せる兵。 王族の人間として動くフェリオ。だが私情を捨てきれない。 「すべて」を守ることは無理だろう。 だが、「よ…

陰陽ノ京 巻の四 [amazon]

親の面倒を見ていた少女のささいな願い。 理からは外れたことではあったが、悪いこととは思えなかった。自分ならかなえてあげることができた。 やがて、その少女の心は執拗になった。あとちょっと。もうちょっと。せめて夏が終わるまで…。それが仲間に害をな…

陰陽ノ京 巻の三 [amazon]

長い間降り続く雨。清明はくらい過去を思い出す。かつて要石をもって封じた化け百足のことを。 そそてその予感は当たる。大雨の影響で石が砕かれ、封印が解ける。 毒をもつ百足ゆえに、保胤の力は使えない。使えば回りの草木がやられてしまう。 何よりそれを…

陰陽ノ京 巻の二 [amazon]

重い税を課して民を苦しめ、地上げで財を成した貴族が病に倒れた。 原因を追求するため、依頼を受けた陰陽寮の安部清明。その息子である吉平は、清明より先に様子を見に行き、貴族の体から魂魄の魄が欠けていることに気づく。体から出ている魄の筋をたどって…

陰陽ノ京 [amazon]

時は平安時代。陰陽道の道を捨て、書生として生きる慶滋保胤。 父の弟子である安部清明が持ち込んだ噂。「龍神がでた」と。 噂を確かめに訪れた庵。そこにいたのは、龍の化身かと思われる美丈夫な男性だった。 だが、彼は呪いにやられている。 その呪いをか…

空ノ鐘の響く惑星で 6

記憶を無くしたがゆえに、敵味方の区別がつかないウルクは、最も信頼 していたフェリオさえも遠ざけてしまう。 だが、その地位とフェリオの大事な人であるという立場ゆえに、命を狙 うものたちが現れ始めた。 時を同じくして、「訪問者」の扉の役目をしてい…