雪逢の狼 陰陽ノ京 月風風譚 弐

「ならば、貴公には伝言を頼むとしよう。貴族に飼われる道士どもよ、我を止められるものなら止めてみせよ。我は白山 ― この名に覚えがある者が、まだこの地におるかな」

こういう気高き狼と戦わねばならないことがやるせない……陰陽寮に恨みを持ちながら、強者を求め、弱きは見逃し、名に恥じぬ姿がまぶしかった。白山の昔話や清明の失敗談を聞くと、余計にぶつかり合うことを避けてほしいと思うんですが、それぞれ誇りがあるから……人の思いを踏みにじる外法師・水魚の行動に憤懣やるかたないけれど、乗り越えて戦う白山と、真正面からぶつかった光榮の戦いが、胸に来た。ところで、保胤と時継はそろそろ周囲が何かしてあげないとダメなんじゃないかしら!→ 感想