茅田砂胡

天使たちの課外活動

「……意外におれたちで何かやるのって難しいな」 相変わらずの金銀天使たちの痛快劇でした。いや、それでもちょっと地味になってるあたり、一般市民……遠いな。新キャラがいい感じですが、かの怪獣夫婦と出会ったらどう思うのか楽しみ。→ 感想

コーラル城の平穏な日々 デルフィニア戦記外伝(2)

「だから、できれば顔を出さずに、目立たぬように、そっと見守ってほしいのだが、無理な注文かな?」 「いい根性してるな、おまえ。愛妾の護衛を王妃に頼もうってのか?」 どの話もほんと楽しくて、ニヤニヤしっぱなしだった。主要キャラ総出の「ポーラの休…

レディ・ガンナーの冒険

「あなたたちのような悪党なら背中を撃ってもいっこうにかまわないと思うんですのよ」 かまう。いや、是非かまってもらいたいと、その悪党たちは冷や汗を流しながら目で訴えているが、キャサリンはもちろん無視した。 「誰に頼まれてきました?」 これは面白…

祝もものき事務所

「だってそんな……、ただの偶然でそんなに何度も証拠になるものを拾ったり、決定的な話を聞いたりするっていうんですか?」 「犯人にぶつかったこともありますよ、道端で」 主人公の出番がほとんどないのがすごい。つーか、あの力は犯則すぎるけれど、卑怯と…

ファロットの休日 クラッシュ・ブレイズ

「ここに来て人とのしがらみや縁というものを気に掛ける羽目になるとは……奇妙なものだな」 「わずらわしいかい?」 ヴァンツァーは真顔で首を振った。 「いや、そうでもない」 レティシアとヴァンツァーのお話二編。どちらも面白いけれど、レティシアの方は…

オディールの騎士 クラッシュ・ブレイズ

「何かどころの騒ぎではありませんぞ!いったいどういうおつもりです?」 「申し訳ありません。あんな人物の相手をさせる結果になったことは素直にお詫び致します」 ジャスミンは素直に頭を下げたが、物騒なことをさらりと言ってのけた。 「確実に獲物を釣ろ…

逆転のクレヴァス クラッシュ・ブレイズ

「無理だって。絶対」 ドミューシアとチェイニーだけでなく、末っ子のデイジー・ローズまでが首を傾げている。 「リィを誘拐って……できるの?」 いつもながら常識的な大人たちの対応が、的外れに見える様子にニヤニヤがとまらない。にしても、新キャラ・ミッ…

海賊とウェディング・ベル クラッシュ・ブレイズ

「言ったはずだぞ。おまえたち二人を結婚式に間に合わせるんだ」 「……この状況で?今からか?」 「この状況で、今からだ」 自信に満ちた笑顔だった。 女王大活躍!彼女を人質にしてしまった海賊たちへの痛快劇はもちろんのこと、「あの」女王が侮辱されて耐…

追憶のカレン クラッシュ・ブレイズ

「つまり、日曜のカレンの行動はまったくいつもの彼女らしくないんだ」 「誰かがカレンにやらせたってことか?」 「問題はね、『どこの誰』が『何』を『どこまで』やらせたのかだよ」 シェラの怒りが見えるのは珍しく目を引かれたけど、いつもの水戸黄門っぷ…

マルグリートの輪舞曲 クラッシュ・ブレイズ

「何だかなあ……」 苦りきった声を洩らした弟がおかしかったのか、ドミューシアは楽しげな笑い声を立てた。 「彼氏ができたら真っ先にあんたに会わせようっと。それであたしの眼の前であんたに見惚れたりしたら、即行でふってやるんだ」 「その前におれが叩き…

サイモンの災難 クラッシュ・ブレイズ

「それなら、わたしが言ったことを覚えてる?」 大きく喘ぎながら、デニスは茫然と呟いた。 「過去の栄光なんか……何の意味もない?」 「そう。あるのは見えない明日だけよ」 ジンジャーかっけー!やっぱりこの人の書く「プロ」な姿は惚れ惚れする。→ 感想

夜の展覧会 クラッシュ・ブレイズ

「あなたが本当にドミニクに会って話したかどうか、それはたいした問題ではない。事実を確かめる術はどこにもないのだから。ただ……あなたに会えた。この絵の前であなたに会うことができた。こんなに嬉しいことはない」 置いた顔を子どものように輝かせて教授…

王女グリンダ 下

「縁談だと?」 国王ウォル・グリークは、むしろ呆然と訊き返した。 「あの娘にか?いったい何の冗談だ?」 デルフィニアが読みたくなってきた。→ 感想

王女グリンダ 上

「王女!」 「リィだ。ここで働くからには、おれのことは名前で呼べと言っただろう?」 緊迫の声を発したシェラに対して、振り向いた王女は微笑さえ浮かべていた。 「後悔なさいますよ。わたしの命を奪わなかったことを」 「あなたはわたしが殺してさしあげ…

ミラージュの罠 クラッシュ・ブレイズ

「あんた、どうしてもその悪い癖が直らないんだな。弱いものを見捨てられない」 「それは違うぞ。別に癖ってわけじゃない」 振り返って、リィは断言した。 「単なる趣味だ」 なお悪いと、ファロット三人は同時に思った。 いつもどおりのお話でした。たまには…

大峡谷のパピヨン クラッシュ・ブレイズ

ジャスミンは小さく頷くと、夫の胸に顔を埋めてしばらくじっとしていた。 端から見ると正しくラヴシーンなのだが、やがてこの型破りな人妻は、夫の腕の中で何とも不気味な笑いを漏らしたのである。 「そうか……無事だったか……」 「……女王。人の胸元で『ふっふ…

ソフィアの正餐会 クラッシュ・ブレイズ

「昨日転校してきたばかりなのよ」 「偶然だね。ぼくも一昨日転校してきたところだよ。ヴィクター・リィ・モンドリアンだ」 「アルシンダ・クェンティよ。ルウでいいわ」 ヴィクターと名乗った少年は、すばやく辺りを見渡して、そっと声を低めて問いかけた。…

オンタロスの剣 クラッシュ・ブレイズ

「さっきの話、何なんだよ!ジャスミンって、ミズ・クーアのことだろ?」 「ああ。つきあいたいと思う人は誰かって訊かれたから、それならおれはジャスミンがいいって言っただけだ」 ジェームスは救いを求める目をシェラに向けた。 「あの人は昔から大きな人…

大鷲の誓い デルフィニア戦記外伝

デルフィニアの両翼の出会いの物語 感想

パンドラの檻 クラッシュ・ブレイズ

生き返った者たちの競演 感想: http://www.booklines.net/archives/4125009228.php

ヴェロニカの嵐

体験学習。リィとシェラが選んだのは、人里離れた山中で自炊生活を行う林間学校。 ふたりからすれば遊びのようなものだった。 そして降ろされた惑星ヴェロニカ。キャンプ場は 5キロ先にあるはずだった。 だが、歩けども歩けども目的地に着かない。 一人離れ…

スペシャリストの誇り

三編からなる短編集 ファロットの美意識 平和な町で惨殺死体が発見された。体を各パーツごとに切断し、縫合した死体が。 死体が発見された公園では入出者の記録がつけられている。 にもかかわらず、その死体を持ち込んだものの記録が見つからない。 いったい…

嘆きのサイレン [amazon][bk1]

辺境のクレアド星系。そこを訪れた船は一時的に操縦が不能になる。いったい何が? その星系を調査しにいった最強夫婦ケリーとジャスミン。そこで頼りになるはずの宇宙船の感染頭脳ダイアンが突如異変を起こした。 「何か歌が聞こえる」 やがて宇宙船は命令を…