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―俺の大事な物語たちと、大事な妹が戦いを始めてしまっている。 一度はくず折れたけれど、仲間に支えられて、きちんと覚悟を見せることができた主人公の熱さと言ったら!良いものでした。→ 感想
「自信を持って進む人間には、周りの人間も勝手についてくるものよ。それは、恋愛ごとでも同じこと」 「だが、それで私が間違えていたなら?」 「それでも進みなさい。それを止めるために、あなたの執事はいるのでしょう?」 ああつまりこれは、勇気を得るた…
「いいか、俺は隠しごとはするが嘘はつかない。そういう血筋だ」 (……どういう血筋?) 「愛人も浮気相手もいない。あんた以外に結婚したい女もいない。それは信じろ」 しっかり者なお嬢様が、だめな男に惑わされていく姿が、なんとも楽しい。って、こういう…
「で、あなたのほうは?」 「悪い、犯人の手がかりは掴めなかった」 「……そう」 てっきり罵倒されるかと思ったが、雪ノ下は諦めたように吐息を漏らすだけだった。そして、とても憐れんだ感じの目で俺を見る。 「……誰も話を聞いてくれなかったのね」 本当に比…
「まかり間違っても、どんなにしんぼうたまらんな状態になっても、けっして早まったことはなさいませんように」 厳命にふたりはうなずいた。が、話はそこで終わりではなかった。 「万一を考え、できるだけ気持ちを高ぶらせないようにしたほうがよろしいでし…
「よし、良太、まず最初の命令だ」 「わたしを決してひとりぼっちにするな」 ちょっと期待とは違う方面のお話だったので、物足りなく思ったけれど、打算から付き合った相手に心が動いていく描写とかは、とても良いものがありました。→ 感想
「でも、過去に区切りをつけないと、これ以上先に進めないような気がするんです。過去に囚われたままではきっと幸せな未来は生まれない……。私は、裕人さんといっしょに歩むことができる幸せな未来を進みたいです。だから」 ようやく、待っていた日が来ました…
「それは馨子さまがわたしに教えてくださったのですわ。不運と不幸は別物だって」 「そうね。きまぐれな神さまがどんなに辛い仕打ちをしてきたって、うつむいて生きてはいけないのよ。恨みを胸に凝らせて、自分から不幸になってはいけないの」 秘密を明かす…
「ありがとうな。さっきから助けてもらって」 「気にするなよ。僕がいいやつなだけだから」 「自分で言うかよ」 「人に言われるよう困る。なにしろ、」 僕は、殺し屋だからね。 いろんな意味で痛々しいお話でした。目の色を変えることしか出来ないのに、その…
「あのね、友だちとか家族とか、名前なんてどうでもいいの。ノアのことを好きで、大切だと思ってて、ノアも同じように思ってる人がいれば、それでいいの。それで、自分の好きな人が喜ぶことや、幸せでいられるようなこと、一生懸命できれば、いいの」 大きな…
「入学式の日にも言っただろ?怒ることのできない俺の代わりに、お前が怒ってくれるから、俺はいつも救われているんだ。……すみません、とは言うなよ。今、相応しいのは、別の言葉だ」 「はい……頑張ってください」 地の文がちょっと硬いんだけど、キャラたち…
「僕は探偵助手で、アリスに雇われてるんだ。それよりも力強い事実は、……あんまり、存在しないんじゃないかな」 相手を思った行動が、悲しみを引き起こしてしまったという物語が、なんとも苦い。それでも死者を代弁するアリスの言葉が、痛くとも、前に進むき…
「あんたがサインを書いてあげた人は、笑顔だった?ラジオの感想をくれた人は、笑顔だった?あんたがみんなの笑顔に応えられるだけの努力をしてきたのなら、その人たちの笑顔は間違いなくあんたのものよ。胸をはって感謝の言葉を返しなさい。あたしじゃなく…
「ねえ。不安になったりしたこととか……ないの?」 「何が?」 「自分の目指す場所にいけるかどうか」 「ないな」 ルーウェンは少しの間考え込んでいたが、確認するようにして深くうなずきながら言った。 「そんなの考えたこともなかったな。目の前のことに夢…
「わたし、ずっとあなたのことを好きでいていい……のかな」 最後に驚きの出来事がやってきたので、もう、もう!あれはイラストと合わせて破壊力がすごかったです。でも、それを吹き飛ばすのも……→ 感想
「本当は、もうだいぶ前から考えていたことなのですが」 ゼルイークは言った。 「わたしは魔法使いをやめようと思います」 いくつかの話がトントン拍子に進んでいきましたが、いやあ、ラストが良かった。こんちくしょうという言葉に、ご馳走様でした→ 感想
「………………そう。よく分かったわ」 彼女は不機嫌な顔を一転させ、にっこりと笑った。 「宣言するわ。貴方は必ず、私の玩具にすると」 面白い面白い。いきなりコミュニティからの脱退宣言をするとか、問題児っぷりを発揮してくれるけれど、その実、コミュニティ…
「上杉に助けられたからではなく、真田が強かったから勝ったのだ、と思わせねばならん。徳川にも、上杉にも。世の人々すべてにも」 そのためには、上杉後詰めの圧力を利用しつつ、 「上杉の後詰めが到着する前に決定的な戦果を上げ、対局を決する」 若干十五…
「ひ、ひどいです……!どうして、明久君は」 姫路さんが大勢の人の見ている前で、僕にしがみつきながら言った。 「どうして、明久君は、私と子供を作ってくれないんですか!」 「僕と子供の召喚獣」のようなドタバタものもいいけれど、個人的には、「僕と姫路…
「でも実際、病院の次に人の魂が浮遊してしそうよね、結婚式場って。愛は美しいだけじゃないわよ。ちょっと違うスパイスを調合すると憎しみに変わるから」 サムシング・フォーというジンクスは知らなかったなあ。花嫁が、古いもの、新しいもの、借りたもの、…
「……ねえ、吐季はロミオって幸せだったと思う?」 反目しあう一族の跡継ぎによる恋物語。まだ恋に至っていないけれど、ここから揺れる想いやら何やらが始まるんだろうなあ。ちょっぴりミステリ風味なところは、もっと書いて欲しいと思いつつ、切ない物語にな…
「いいえ、戻りません。顔だって見たくないわ」 扉の向こうでがたがたと茶道具の崩れる音がする。 「知らないわ、善なんて。わたし、しばらく会わないから!」 おぶらーとって偉大だね!微エロなところを付いてくるお話だったのに、おぶらーとが笑いに変えて…
「皇沙門!放送部の新入部員であるあんたに、部長代理として課題を出すわ」 「課題?」 「生徒会長を密着取材して、番組にまとめてちょうだい!」 楽しいんだけど、「探偵」ものに求めてるものとは違う方にお話が転がっていくから、どうにも乗り切れない感じ…
「だから、余を信じろとは言わぬ。従えとも言わぬ。命を預けよとも、黙れとも言わぬ。ただ、見ていてほしい」 皇帝は、上を向いた。 「あの光景が見えるか?魔術と物質科学が入り混じる世界を。余は諸君らに、新たな銀河を見せることだけは約束しよう」 えっ…
「驚異の悪口ミルフィーユに、真冬、もう対処方法が分かりませんです」 「笑えばいいと思うよ」 「そのセリフ万能だと思ったら大間違いですよ!」 本編とは違う人たちで絡み合う姿が、新鮮かつ面白い。ドS探偵にニヤニヤが止まらず、くりむと真冬のショッピ…
「あなたは、エデンに落下すべき者ではなかった。 あなたがエデンに堕ちたことそのものが、世界にとって想定外の事象だったのですよ」 這い上がってきたシェルティスが、再び堕ちていく様が痛々しい。全てがイグニドの手のひらの上で転がされてるかのように…
「もしかしたら、一生追いつけないかもしれないと思う。それでも、手の届かない人間だとは思わない。なんでだと思う?」 「……近づきたいと、思いつづけてるからだよ」 いやあ、良かった。好きという思いは本当に難しいな!でも、迷った時に傍にいてくれる親…
「もう、どこにも行かないわよね?約束してくれたでしょう。わたしの夢をかなえてくれるまで、ずっと一緒にいてくれるのよね?」 今回はにぎやかなお話だったなー。それだけで終わってしまった感じがあるので、物足りなく思いましたが、次は合戦があるといい…
「こういうときこそ」 グレイス・チャペルの両肩に灯る炎が一層の激しさを増した。 「こういうときにこそ傍にいなくて、何が仲間ですのっ!」 きゃっきゃうふふがちょっと多かったですが、終盤の展開にやられる。この熱さこそがシリーズの魅力だよなあ。面白…
「そうはいかんな。追いかけっこは十分堪能したし、俺もそろそろ我慢の限界だ」 「ひゃうっ」 「もっとお前と、いちゃいちゃしたい」 カシュヴァーンとアリシアの夫婦生活は、見てるほうが恥ずかしくなるぐらいのいちゃつきっぷりで、なまじアリシアが開花し…