白瀬修

おと×まほ(13)

「こういうときこそ」 グレイス・チャペルの両肩に灯る炎が一層の激しさを増した。 「こういうときにこそ傍にいなくて、何が仲間ですのっ!」 きゃっきゃうふふがちょっと多かったですが、終盤の展開にやられる。この熱さこそがシリーズの魅力だよなあ。面白…

おと×まほ(12)

「ってことは……かなたんは……」 「ということは、彼方さんは今……」 「とどのつまり、彼方ちゃん、今……」 要するに、つまるところ、畢竟するに―と続いて、結論が同時に出た。 『はいてない……!』 短編集は、順調に変態だった。皆のかなたんに対する萌えっぷり…

おと×まほ(11)

「そして、私たちはそれに甘えちゃってる。どんなピンチだって、彼方ちゃんならなんとかしてくれる、ってそんな風に考えるようになってる」 何も言えなくなってしまったボクに、留真ちゃんが決意の言葉を投げかける。 「これからの戦い―それだけじゃダメだと…

おと×まほ(10)

エフェクトは短い言葉で問いかけた。 「良いのか?」 それにグレイスは、何かを確信した声で「はい」と答え、 「今の私は、無敵ですの」 何ですかこの熱い思いと激しい戦いは!バレンタインのドタバタ劇から始まり、かなたんを思うふたりの少女のドギマギっ…

おと×まほ(9)

「この鎖は、縛るためにあるんじゃない」 そこに込められた本当の意味を、言い放つ。 「この鎖は―“絆を繋ぐ”ために在るんだよっ!」 依さん家にお泊まりに行って、じゃれあう姿が楽しくてしょうがなかったですが、そこへ降りかかるノイズが、弱気になってい…

おと×まほ 8

「うん……よし採用!」 「ええぇっ!?いいんですかこれだけで!?ボク別に何もしてないんですけど」 「割烹着の似合う子に悪人はいないんだよ!」 (言い切った!?) 初詣やら海やら社会勉強などの日常のお話短編集。男の子がいじめられる姿に萌えてしまう自分が…

おと×まほ 7

「彼方さんの笑顔はもっと、明るくて、かわいらしくて、こちらまで釣られて笑ってしまうくらい、魅力的で……っ!」 紅の少女は胸にわだかまる思いを、荒々しい声にして吐き出す。 「それが……なんですの、あのザマは……!」 やがて、荒々しくはねた髪を片手でく…

おと×まほ 6

「ボクの」 震える声、濡れた瞳。 「ボクの、家族を」 零れ落ちてくる。悲しみの涙。 「化け物だなんて、言うな……」 ミニスカサンタのかなたんに、みんな萌えすぎだよ!いや、よかったけど。あとはもうちょっと展開速くなれば、かな。 → 感想

おと×まほ 5

「うし、んじゃ次は委員長、彼方の背中に覆い被さって、両手は腰に……密着した感じで」 「うわわわいいんちょっ!?そんな、くっつきすぎ――」 「――そこで彼方の耳たぶを舐める!」 「何言っちゃってるの丈君!ひぁっ!?……ちょっといいんちょ、本当にやらないでく…

おと×まほ 4

「そ、それで……本当に、やるんですの?」 「もちろんよ。だってここは温泉だもの、アレをしないでどうするのっ!……ね?いいんちょちゃん♪」 「はい、異論なしです。……アレは今の私たちにかかせません」 「アレこそ温泉の醍醐味だよねっ!」 「それでもやはり…

おと×まほ 3

「あなたがそうやって何度も自分を敵だというのなら、ボクだって言わせてもらいます」 向き合うだけでは分かりそうにない。ぶつからなくては分からないのだ。 今ここに存在する二つの想い、その強さは。 だからボクは今ここで、自分の想いを彼女に伝える。 …

おと×まほ 2

「きっと彼方ちゃんなら、あの子を変えてあげられると―」 「ダメです」 自然と、言葉が出てきた。 「え?」 「それは人に押し付けていいものじゃない。アナタの想いは、叶えたい願いは、誰かが代わりにやればいいってものじゃない」 面白かった!1巻で切って…

おと×まほ

「……しないの?」 暴れるモエルを床に下ろす。 「は?一体何を」 強い視線。ありったけの自信と、確信。全てを視線に込め、モエルの目を見た。 ?それ?が、はじめた理由だから。再びスタートを切るには、必要だと思った。 「― 脅迫を、さ」 ここだけ抜き出す…