入間人間

トカゲの王(1) 〜SDC、覚醒〜

「ありがとうな。さっきから助けてもらって」 「気にするなよ。僕がいいやつなだけだから」 「自分で言うかよ」 「人に言われるよう困る。なにしろ、」 僕は、殺し屋だからね。 いろんな意味で痛々しいお話でした。目の色を変えることしか出来ないのに、その…

電波女と青春男 SF(すこしふしぎ)版

「イトコにとって宇宙はなに?」 「俺か?んー、宇宙か……御輿みたいなもんだな」 「御輿?」 「一人じゃあキツイけど、みんなで担ぐには価値のあるロマンだ」 一巻リメイクだった。細かいところは覚えてないけれど、ヒロインたちがちょっと違うと感じられる…

電波女と青春男(8)

「宇宙行くぞ、イトコ」 いうなれば、おまけみたいな位置づけかな。エリオがもう一歩だけ進む決意をするための物語でした。これで終わりというのは、ちょっと寂しいなと思うけれど、とてもいい青春ものでした。→ 感想

19―ナインティーン

「だけど、俺たち、半年後には……」 「それでもいいの」 ユキは断言した。 「だけどもいいの」 入間さんのゾクっとラブにニヤニヤして、綾崎さんの罵しられ青春にクスリ、紅玉さんの怠惰巫女受験物語に涙ぐんだり。→ 感想

電波女と青春男(7)

「流子さん、お昼ご飯はなに食べたいとかある?」 「りゅ、リュウシやっちゅーに!」 「……高校のときとは正反対ですなぁ」 「のぁぁー、つい照れ屋なリョウコさんが先走る!」 妄想話が炸裂!前川さんと付き合ったり、リュウシさんとの大学生活だったり。そ…

電波女と青春男(6)

「見てて、イトコ」 「……おし。青春女に、なってこい」 青春満喫しまくりじゃないか、にわ君!それぞれの内心が見える文化祭はニヤニヤしまくりで楽しかった。リュウシさんはいつものことだけど(大好き)、今回は前川さんも乙女してたなー。一歩引きつつさ…

バカが全裸でやってくる

「お前まさか、自分が小説家になれないなんて思ってないよな?」 これたぶん私小説ですよね。全裸バカ出したりしてるけれど、小説を書くという思いや、応募し続ける心情などは、たぶん本人の言葉だと思う。物語を紡ぐ面白さにハマり、でも自分の妄想を露出し…

多摩湖さんと黄鶏くん

「でも多摩湖さんの写真がいっぱいだと、どれにキスすればいいか悩んじゃうなぁ」 「だーかーらー、しちゃダメ。写真はね、見て思い出して妄想してニヤニヤするものなの。思い出は手垢じゃなくて、埃だけ付着させるのが正しい保存方法よ」 「じゃあこれから…

電波女と青春男(5)

「せーしゅんって、なに?」 「お手軽な青春を体験したいなら、リュウシと転校生の関係に飛び込むことさ」 「うぉーい!リュウコやっちゅーになにを教えてるっちゅーに!」 「するとほーら、こうなる」 「これがせーしゅんかー」 「違うっちゅーに!」 たま…

六百六十円の事情

「なんだっけ。この間読んだ本の、高校生を象徴する表現って」 数歩、前へ走る。足音はトラックを回っていた亀たちより、わずかに軽い。 「そして、呼吸をする度に恋をする、だったかな」 すっごいよかった。これはいい入間人間!地域掲示板のトピックス「カ…

電波女と青春男(4)

「でも青春って思い浮かべると、あたし何でか、にわちを連想しちゃうんだよね」 「俺は青春野郎なんかじゃ、間違ってもない」 「知ってる。にわちの彼女いない歴の更新ぶりはじゅぅーぶん、分かってる」 「うるさいよ」 「それでもあたしは、にわちに青春を…

探偵・花咲太郎は覆さない

「あたしが側にいると、ろくでもない目に遭うわよ」 「ろくでもないことは世間からもたくさん頂けるが、君からしか与えられないものが山ほどある。天秤にかけたら、答えは決まっているな」 「……あんた、全然迷わないのね」 「迷えるほど、この社会はロリコン…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(7) 死後の影響は生前

不幸になるというのは往々にして、『大切な人がどんどん他人になっちゃう病』を患っているに過ぎない。……ああ、殺人犯というのも大抵、その病にかかるのよね。 命の取引が行われた瞬間、相手は他人か、もしくは自分でしかなくなるのよ。 みーまーじゃなくて…

探偵・花咲太郎は閃かない

「動かない探偵に、謎少女。良い取り合わせだ」 楽しかった!犬猫捜索専門の探偵が、一章ごとに殺人事件やら、何やらに巻き込まれるお話。推理するより火の粉を払ってるうちに解決……したようなしてないようなお話は、時にゾッとするものがあるけれど、それよ…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(6) 嘘の価値は真実

あー、詮索しないから。興味ないし。 俺が興味あるのは、麗しき同級生の顛末だけ。 で、さ。 あいつらの、どっちが死んだの? 学校で銃を乱射されたからって、みーくんが動くわけが……と思ったら、そうかそう言うことなら動くしかないのか。まーちゃん邪魔だ…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(5) 欲望の主柱は絆

「さーて、と」 またみーくんと呼ばれて。 またみーくんになって。 ぼくは、僕を取り戻しますか。 トラウマを呼び起こすような暗闇を超えて、「一食分」が生み出す戦慄を味わいながら、解決編にああなるほどと思ったりする。たしかにその理由なら……だよね。…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(4) 絆の支柱は欲望

僕は、自分の思い上がりを面白がってしまった。 こんなに愉快な事柄が他にあったら、僕の日々に頬の筋肉は堪えないね。 嘘だけど。全部、余すところなく、痛快無比に。 マユを直す。治せないけど、直してみせる。 僕はまだ、まーちゃんを騙し足りないから。 …

電波女と青春男(3)

「リュウシさんは、都市側チームの方を応援しなくていいのかな」 「おいおーい、にわ君ってばもう忘れちゃったのかーい?」 親指を立てて、ニッと歯を見せながらの笑顔を俺に注ぐ。 「あたしは、にわ君の味方なんだよ」 夏休み。バスケの応援と、草野球と、…

電波女と青春男(2)

「あたしはそういうとき、藤和さんの味方にはなんないよ」 「うん」 「でも、」 そこで区切って、リュウシさんが一歩距離を置く。 手を後ろに組んで、はにかんで、僅かに前屈みとなって。 「でも、にわ君の味方にはなると思う」 真の周辺にいる女の子たちが…

電波女と青春男

「今から一緒に空を飛んでやる。出来なかったらお前、地球人になれ」 リュウシさんとのやりとりに、とてもニヤニヤしてしまう。青春だなー。それ以上に、アイキャンフライの青春ポイントがすごかったけど。続きがどうなるのか、すっごい楽しみ。→ 感想

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生

「生存者の二人は同棲してるって教えたら、色々悩んでましたから……あれですね、住所を尋ねてきたことも含めて考えれば、どちらかが外出したのを見計らって、もう一方がいる自宅を狙うつもりとか。あ、そういえば今日はせんぱい、外出されてますね」 最後に、…

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 善意の指針は悪意

心配しないで、だってさ。 奈月さんは、お見通しのようにそんなことを言った。 ああしたさ。 心配、したさ。 マユが正常になっていないかって。 まーちゃんも元カノも、可愛くて可愛くてしかたない → 感想

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸

「まーちゃん」 マユの額の髪を指で梳きながら、諦め混じりに問いかけた。 「君、あの子達を拉致っちゃった?」 「うん!」 もうちょっとグッチョリとなってくれたらいいのに → 感想