六百六十円の事情

「なんだっけ。この間読んだ本の、高校生を象徴する表現って」
数歩、前へ走る。足音はトラックを回っていた亀たちより、わずかに軽い。
「そして、呼吸をする度に恋をする、だったかな」

すっごいよかった。これはいい入間人間!地域掲示板のトピックス「カツ丼作れますか?」という一言がきっかけになり、五人の老若男女がそれぞれの物語を描きつつ、時にすれ違ったりして、繋がるエピソードにやられます。特に第一章のビートルズねーちゃんと、第二章の童貞少年と処女少女の青春っぷりは半端じゃない。この二編だけでも、読んでよかったと思いました。→ 感想