ショコラの錬金術師

「ねえ。不安になったりしたこととか……ないの?」
「何が?」
「自分の目指す場所にいけるかどうか」
「ないな」
ルーウェンは少しの間考え込んでいたが、確認するようにして深くうなずきながら言った。
「そんなの考えたこともなかったな。目の前のことに夢中になってりゃ、考える暇もないっつーか」

錬金術といいながら、そういった描写はほとんどなく、チョコレートを作る過程を見て、そこに情熱を燃やす兄弟を見て、自分の道を再確認していくような、そんな少女の思いが素敵だった。ちょっとした恋模様も描かれるけれど、メインはむしろ女の子の友情ですよね。とても可愛らしいお話だった。→ 感想