断章のグリム(15) ラプンツェル・下

『うふふ、責めてないわ。大切なものって、そういうものよ』

『誰もが持ってる大切なものは、そのために自覚的無自覚的に他のものを犠牲にして、その屍の重さでどんどん重くなっていくのよ』

『それで気づいた時には……もう重くて、両手から下ろせなくなってるの』

ああ、それこそがラプンツェルの本質だったのかと知ったあと見せられる「手」の導きに、ぞくっとなった。むしろ、気づかぬまま、幻想に導かれていったほうが幸せだったのかもしれないと思うほどに。そして怪異よりも恐ろしかったのは、狂気でした。うわあ……うわああ!!ここまで救いのない結末になったことにびっくりですが、それすら序の口と言わんばかりの展開にドキドキ。→ 感想