成田良悟

デュラララ!!×(10)

「いえね、私も、前々から興味があったんですよ」 澱切と名乗った老人は、優しい笑みを浮かべたまま、静かに言葉の続きを告げる。 「ダラーズとかいう、実に若々しい、健全な集団にね」 もう何がなんだかと言いたくなる。いろいろ絡み合ってるけれど、まだま…

バッカーノ!1932‐Summer―man in the killer

「いいか、小僧。殺し屋になる奴なんてのは、最初から最後までどうしようもなく狂気に捕らわれてる存在なのさ」 「……それで?」 「狂ってる奴を信用する依頼人が悪い」 この悪党どもはとても魅力あるな。殺人鬼やらマフィアやらがNYでいろいろ遭遇して、最後…

デュラララ!!×(9)

「情報屋……世の中が、いつもお前の望み通りに回ると思うなよ?」 「やだなあ、望み通りに回らないから、世界は面白いんじゃないですか」 まるごと臨也の物語。ちくしょう、ぜったいアレはブラフだと思ったのに……と思った僕がいる。電話のシーンがとても良か…

ヴぁんぷ!(5)

「さてはて、白馬の王子ならぬ、黒蝙蝠の城主様は……見事人間のために駆けつけることはできるのかな?僕が語るに足る展開になると良いのだけれど……一体今頃、どこで何を思っているのやら」 「せめて、島の異常と恋人の危機には気づいていれば良いのだけど」 …

デュラララ!!×(8)

「もう少しなんだ」 「え?」 「もう少しで、造れそうなんだ。……正臣と園原さんの帰ってくる場所を」 一言伝えれば、もっとうまくいくだろうに……こじれ方が切ない。ストーカー事件が思いも寄らぬ方向へと進んだことで、セルティが暴走しそうな気配を見せてる…

バッカーノ!1710 Crack Flag

「君は、モニカを助けると嬉しいかい?」 「当たり前だ」 「モニカとまた会えたら、笑うかい?」 「人生最高の笑顔をみせてやる」 エルマーはその答えに満足したようで、ケラケラと笑いながら口を開く。 「最初から、それだけ言えばいいんだよ。俺が協力する…

デュラララ!!×(7)

「……今なら、俺達なら……」 「平和島静雄を、どうにかできるんじゃねえか……?」 日常と呼ぶにはアレな短編集ですが、赤林の話は人情味を感じてよかったし、バーテンダーをめぐるお話は……恋ならいいのに、何とも物騒なのが笑える。まあ、彼なら壊れるほど愛さ…

世界の中心、針山さん(3)

「それでも、やっぱり割り切れない所はあるからね。私は父さんを応援するつもりはないから」 きっぱり言い放った後、自分の部屋へと続く階段を上り始め― その途中で足を止め、振り向き様にひとつだけ付け加えた。 「だけど私は、父さんの『夢』は応援してる…

デュラララ!!× 6

「……こんな連中が湧くようじゃ、ダラーズもそろそろ潮時かもな」 うお、なんつー面白さ!様々な出来事が絡み合っていきながら、ひとつの物語を展開していくドキドキさがたまらない。イザヤの悪辣さににやりとし、シズちゃんの格好良さに惚れ惚れする。それに…

デュラララ!!× 5

内緒モード バキュラ【なんかヤバイ雰囲気なんだ】 内緒モード バキュラ【ダラーズが危ない。そう、ダラーズが危ない気がするんだ】 内緒モード 田中太郎【ダラーズが?】 ダラーズを襲う危機話。思いっきり風呂敷を広げてて、少しずつリンクが見えるからゾ…

バッカーノ!1931 臨時急行編 Another Junk Railroad

「大丈夫だ、約束する。俺は、絶対にお前の信じてきた世界を壊さない。もしも、俺を信じてくれるなら、俺は、お前の信じた俺の世界を、絶対に、絶対に壊さない」 まるでシャーネの心を読んだかのように、クエラは自信に満ち溢れた想いを告げる。 「世界は、…

5656! Knights' Strange Night

「好きだとか愛するとか、そういう事を考えたら……私は、ますます先に進まざるを得ません」 「……ッ!どうして!」 「だって私は……この島と、この島の人達が好きなんですから」 番外編。いつもに比べれば殺伐さ半減、ラブ度倍増。やっべ、楽しい。 → 感想

デュラララ!!× 4

「こないだも言ったろ、家族なんだから、迷惑ぐらいなんとも無いし……そもそも、君と一緒に上れる壁なら、どんな困難だろうが迷惑だとは思わない」 『……』 「僕はね、君に愛してもらうっていう最大の壁を乗り越えたんだよ?」 セルティと新羅の関係にニヤニヤ…

バッカーノ!2002 【B side】Blood Sabbath

「俺さ……ちょっとは家族らしいこと見せてやれたかな」 チェスは呆れたように首を振りながら、ジトリとした目つきでフィーロの顔を見下ろした。 「……家族に心配をかけるのは、家族失格だと思わない?」 「手厳しいな」 「そもそも、家族らしいって何さ。かっ…

バッカーノ!2002 【A side】Bullet Garden

「それにしても……まんまと僕をダシに使ってくれたよね」 「なんの事だ?」 「家族旅行だなんて言って、本当は新婚旅行のつもりなんでしょう?」 「なっ……!」 「大丈夫だよ、フィーロお兄ちゃん」 チェスはフィーロの耳もとに口を近づけると、少し大人びた微…

バッカーノ!1705 The Ironic Light Orchestra

「酷すぎるよ……神様」 単なる幸運と解っていても、ほんの一時的なものだと解っていても、彼女は可能性を知ってしまった。自分にも、生きて幸せになる可能性がゼロではないということを知ってしまった。 「やっと死ねるんだと思った途端に……こんな……こんな………

バッカーノ!1934 完結編 Peter Pan In Chains

ラッドの高らかな哄笑が、アルカトラズの地下に鳴り響く。 だが、それを聞くのはフィーロ一人であり、彼はその狂ったような笑いを聞きながら、改めて自分の置かれた立場を理解した。 厄介な事に巻き込まれた。 成田良悟ならもっといけると思ってしまうせいか…

世界の中心、針山さん 2

― 子供たちの笑顔を護る その青臭い信念があれば、それでいい。俺は、それでいい。 たったそれだけの事で、俺は、ヒーローになれる。 全てを奪われた俺が、この俺がだ! ……ヒーローの本質は、結果じゃない。信念だ。 だから、おい。聞いてるか。聞いてるのか…

バッカーノ!1934 娑婆編 Alice In Jails

自分のせいで大事な人が傷つき、遠くへ離れてしまった時から― 彼女は、決して死ねなくなった。 約束を果たす為に。 自分が本当に愛していると気付いた男との約束を果たす為に。 その男に ― 残酷に残酷に殺される為に。 まさか続くなんて……。この物語をどう収…

バッカーノ! 1934 獄中編 Alice In Jails

「なあに、何も仲間を裏切れというわけじゃあない。もしかしたら、俺たちの共通の敵になるかもしれない奴の動きを……ちょいと探ってきて欲しいだけだ」 「……あんたが、大嫌いな俺たちギャングとの約束を護るって保証は?」 「誓うさ。俺にできることは、ただ…

デュラララ!!× 3

今回の件は、本当に興味深いんですよ。物凄く仲の良かった三人が、それぞれ秘密を抱えていたのに、偶然と、ほんの少しの悪意……まあ、主に俺ですけどね。そんなものが重なって、まさに理想に近い形で互いの秘密が知らされた」 「なるほど。悪意の偶然が積み重…

がるぐる!下 Dancing Beast Night

「……ゴメン。人違い……だったよ」 震える声で告げた狗木に対して、少女は抑揚のない声で呟いた。 「さよならです。知らない人」 逃げるように振り返った狗木の背中に、最後の言葉が焼き付けられる。 「ありがとう……ございました」 それは、狗木にとって止めの…

がるぐる!上 Dancing Beast Night

越佐大橋シリーズ完結編上巻! 感想: http://www.booklines.net/archives/4840232334.php

世界の中心、針山さん

友達以上恋人未満。一緒に買い物をした帰り、そんな夢羽の部屋へ行った。 いつものように楽しく話をしていたとき、ふと違和感を感じた。 何かが違う。 そして見てしまった。ベットの下に斧を持った人間がいることを。 気づいたことが相手に伝わったら、その…

ヴぁんぷ!Ⅲ

既に惨劇は始まっていた。そして、さらなる惨劇の予感が……。 望むものを手に入れるために、カルジミールがグローワース島へ送り込んだのは、空気感染により人を支配する能力を持つジグムント。イータとして飛びぬけた能力を持つルーディとテレジア。 同時に…

ヴぁんぷ! (2)

イーター。 それは吸血鬼の血肉を食らったことで、その能力を受け継いだ者たち。 少年は復讐のために、利用されることがわかっていながら、その力を手にいれた。 すべては奴を、テオドシウス・M・バルシュタインを倒すために! 一方、忌み嫌われるはずの吸血…

デュラララ!!×2【amazon】

池袋で【最強】は誰か? そんな好奇心を秘めたライタは誰もが示す平和島に興味を持つ。 時を同じくして、夜毎に現れる切り裂き魔。 死傷者こそ出ていないものの、全く手がかりのない日々。 こう着状態に陥った事件。 だが、切り裂き魔がセルティに手を出した…

バッカーノ!1933 [amazon][bk1] [amazon][bk1]

10月に上巻が出版されたときに購入したものの、11月に下巻が出版されとのことだったので、読むのを我慢していた作品。 期待通り、ドタバタ騒ぎのドミノ進行。今まで出版されたシリーズの中で最長にも関わらず一気読み。 不死者同士の争い、そして実験。これ…

バッカーノ!1931 鈍行編[amazon][bk1] 特急編[amazon][bk1]

先日読んだ「バッカーノ」シリーズ、第二弾(と第三弾かな)。 1933年。アメリカ大陸横断特急「フライング・プッシーフット」には、怪しい人物ばかりが乗っていた。 貨物室のお宝をいただこうとする不良集団、捕まっている指導者の開放を望むテロリスト、鉄…