薙野ゆいら

魔法書の姫は恋をする 守護者の誓い

「火は善でも悪でもないよ、ソフィア。本当に怖いのは火が本を焼くことじゃない。― 人が本を焼くことだ」 いやー、いいですね。恋に気づいていく過程というのは!ニヤニヤが止まらないったらない。悪い虫を追い払おうと神出鬼没なお兄様の過保護さも楽しいけ…

魔法書の姫は恋をする はじまりのキス

「人に興味をもつのはいいことだよ。背表紙だけ眺めていた本を、手に取って開いてみるのと同じだ。まずは手に取らなくては始まらない。そして読んでみれば、数ある本の中の一冊が、自分にとってかけがえのない一冊になるかもしれない」 「……」 「さて、アレ…