三川みり

銀砂糖師と赤の王国 シュガーアップル・フェアリーテイル

「人間は人間と。妖精は妖精と。同族同士で生きるのが幸せだ。そうだろう。もしほんとうにシャルのことを思うならば、彼が妖精の仲間と生きられるように、おまえは努力すべきではないか?」 相手の幸せを思うが故に、近づけないという二人の思いが切ない。傍…

銀砂糖師と紫の約束 シュガーアップル・フェアリーテイル

「かかし頭は、なんでもすぐに忘れる」 意地悪な睦言のように、声が甘い。 「これだけは覚えておけ。ずっと、そばにいる。おまえを守る。誓う」 今回は何かとシャルが動いていたなあ。モヤモヤした思いを抱えて、時に嫉妬して、それはすべてアンを思う気持ち…

銀砂糖師と緑の工房 シュガーアップル・フェアリーテイル

「おまえが俺を助けるというなら、俺はなにをすればいい。教えろ」 「た、助けられる人は、なにもする必要はないと思う。ただ待ってもらえたら、それでいい」 「おまえが待てというなら、待つ」 「じゃあ……待って」 敵地に乗り込み、そこで初心を思い出すと…

銀砂糖師と白の貴公子 シュガーアップル・フェアリーテイル

「品評会でアンと競えるのは、今年だけだろうから。アンにとっては最後のチャンスに、僕は巡り会えたわけだ。僕は幸運かもしれないね」 「最後のチャンス?」 問い返すと、キースはすこし気の毒そうな顔をした。しかしはっきり、頷いた。 「そうだよ。彼女は…

銀砂糖師と青の公爵 シュガーアップル・フェアリーテイル

「おまえは、馬鹿だ」 「そうだと思う。でも、やりとげたいの」 「それが望みなら。……おまえの、望みのままに」 ものづくりに真剣に取り組むアンの姿は惹かれながら、シャルとの恋にドキドキでした。思いに自覚していくところや指摘されて戸惑うところとかい…

銀砂糖師と黒の妖精 シュガーアップル・フェアリーテイル

「ねぇ、シャル。提案なんだけど」 アンは少し頭を起こした。 「昼間も言ったけど、わたしたち、友達になってみない?」 「馬鹿か」 母のような銀砂糖師を目指す少女アンと彼女の護衛をする口の悪い妖精シャルの物語。面白かった。明るくとも心の内には孤独…