「約束よ」
環さまが、小指を差し出した。
私は、その指に自分の小指を巻きつける。おにぎりを口実に、環さまとの関係がこれっきりにならないことを喜びながら。
「はい。環……さま」
相談にのってもらったささやかなお礼の気持を込めて、私は心の中で「……」の部分に「お姉」と入れてみた。
リリアンが舞台だけど、薔薇様たちはほとんど出ることなく（通りすがるぐらい）、一般生徒の家族関係が温かく描かれるお話しでした。貧血で倒れたところを助けてくれた先輩と、姉妹っぽい関係になっていくところがいいですね。騒がしくも気が利く姉と、しっかりものだけどちょっぴり寂しがりやの妹が生み出す雰囲気好きです。→ 感想
