エマ (5) 【amazon】

時をさかのぼること 24年。
成り上がりものと思われ、社交界で相手にされることがなかったジョーンズ家の三代目当主、リチャード。
自由奔放として世間知らず。上流階級に生まれたものの、そういった作法にはまるで興味が無かった、オーレリア・ハートウィック。
そんな二人の出会いは順風満帆かに思えた。
だが階級を重く見る社交界の壁は二人の前に立ちはだかる。
わずかなすれ違いが失点となる。
自分たちでさえそうなのだ。メイドを妻として迎え入れたらどうなるか?
二人の仲を理解しながらも認められない。そんなウィリアムの父と母の物語。


ただの頑固親父かと思いきやこんなにジェントルな方だとは思わなかったリチャード。
自身の悔しさを息子には味あわせたくないだろう。反対する気持ちは良く分かる。
今回の一番の見せ所はあそこしかない。ウィリアムがハワースを来訪したシーン。
普段控えめなエマが、あそこまで直接的に(しかも人前で!)感情を現すなんてね。
味方が増えたものの、ラストでまた大きな敵が出てきましたよ。
次巻で大きな波が待ち受けてそうなシリーズ第五巻。


エマ (5) - 森薫