その情熱はどこから

会社のトイレの鏡の前で熱心に髪をいじっている人がいる。
たった一本の髪の毛の位置を丹念に修正している。
一歩でも動いたら、その位置から髪の毛は動いてしまうのではという疑念はきっと僕だけのものだ。
でなきゃここまで真剣になれるはずがない。


ただね、その場所はね、手を洗うところでもあるわけさ。
ぼくとしてはトイレで大きなシゴトをしたあとだけに手を洗いたいわけですよ。念入りに。
わずか数ミクロンの位置修正は大事かもしれないけれど、雑菌まみれの手でいる僕の健康を考えてくださいよ。


いつか言ってやりたいけれど、未だに言えない今日この頃。