ラノベらーにオススメするラノベ以外の小説2008

期待されているのかどうかわかりませんが、一応反応があったので、「ラノベらーにオススメするラノベ以外の小説2008」をあげてみたいと思います。ルールはid:psycheNさんからいただいてきました(感謝)

  • 2008年に一冊以上出版されたもののみ。
  • ライトノベルレーベル以外から出ている。
  • ライトノベル以外読まない人でも抵抗感がなさそうな感じの。
  • キャラクターがしっかりしているもの。
2008-12-20

ちなみに僕の場合、ラノベレーベルは文庫サイズまでなのでよろしく。

翼の帰る処

都から遠く離れた北嶺に左遷された病弱な史官ヤエト。隠居生活を望むヤエトが左遷を喜んでいたら、なぜか北嶺に皇女が太守としてやってきて、ヤエトを副官に任命して……というお話。

素朴というか単純な北嶺の民と、誇り高き帝国の皇女の間に挟まれて、苦労するヤエトの姿を見てるとニヤつくこと請け合いです。病弱だから何かあるとすぐ倒れてしまうんですが、根がまじめなものだから、ついつい口を挟んで、気づけばみんなから一目置かれるというかほうって置けなくなるというか、そんな立ち位置が絶妙でしたね。
翼の帰る処(ところ)〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)
皇女も皇女で、勝気でありながら聡明さを見せてくれて、さらにはヤエトを……みたいなものがみえてくるから素敵です。このふたりがどうなっていくのかは、読んでのお楽しみ。上下巻ではありますが、シリーズとして続いていく予定らしいので、ぜひぜひ手にとって楽しみませう。(→ 上巻の感想)(→ 下巻の感想

WonderWonderful

妹のひなたがファンタジー世界で冒険をしてるらしい。あちらとこちらの世界を行き来する楽しい話を他人事で聞いていたら、あるとき、ひなたが異世界で危機に陥り、姉であるこかげが異世界に足を踏み入れることになり……というお話。
wonder wonderful 上wonder wonderful 下
主人公は28歳の社会人ってことで、困難に陥ったときの乗り切り方が、勢いだけじゃないところがいいです。押しつぶされそうになることがあっても、自分だけじゃなく、周囲の人のことも考えて、考え抜いて、解決策を見出していく展開が素晴らしい。時に我慢できないこともあるんだけど、その度に人の優しさに触れることができて、幾度となく涙する物語でした。
何回かオススメしてる気もするけど、これは絶対はずせない。(→ 上巻の感想)(→ 下巻の感想

やおろず

おばあちゃんの死をきっかけに、竃やらトイレやらのやおよろずな神様たちが見えるようになった女子大生・澄香のお話なんですが、この神様たちがとってもキュートで、でも基本騒がれたら迷惑千万(誰だって便所の神とかが出てきたら、害はなくともアレですよね)。おかげで澄香は振り回されっぱなしなんですが、それが非常に楽しいです。吹き出すこと間違いなしなので、お外で読むのはやめましょう。
やおろず
時に切ないお話があっても、オチはきっちり見せてくれますし、最後にはほんのり温かい気持ちにさせてくれるお話です。ほのぼの好きにはたまらないですね。(→ 感想

フーバニア国異聞 水の国の賢者と鉄の国の探索者

人喰いがいるだの、魔境だの恐ろしい噂ばかりが伝えられているフーバニア国。七百年間、交流のなかった隣国に、「役に立たない男」と言われたグリンリー家の息子・エラードが訪れて……、噂話とは全然違うフーバニアの民との交流を描くお話。
フーバニア国異聞―水の国の賢者と鉄の国の探索者 (C・NOVELSファンタジア)
何がいいって、フーバニアでエラードに懐いた動物ちびが、ものすごい可愛いんですよ。ちびだけでなく、他の動物たちの愛くるしさもあり、さらにはそこに生息する植物が見せてくれる時に幻想的な風景を見せられたら、ああ、この光景を見てみたい、そう思わせてくれるものがあります。人間関係もほのぼのしてていいし、フーバニアという国の魅力がたっぷり感じられるお話でした。(→ 感想

百瀬こっちを向いて

ここいらで恋愛ものでも。四編の短編が収録されている恋愛小説集。どのお話も、ちょっと切なくて、ちょっと温かくて、女の子も男の子も魅力たっぷりです。これがまたいいところでお話が終わってしまうんですが、きっとこのあと……と思える余韻があって、素敵な読後感になること間違いなし。
百瀬、こっちを向いて。
こういう青春恋愛ものを読んでしまうと、もう一度高校生をやってみたいとか、そんな甘い希望まで持ってしまいますね。(→ 感想