[book[☆☆☆☆][野崎まど] [映]アムリタ

「うーん……才能ある監督、って言うだけなら今話した通りだと思うんだけどね。でも天才はきっと違うよ。天才はきっとそうじゃない」
店長は僕と話ししているのに、もう僕を見てはいなかった。
「天才監督はね、凄い映画を作る人だよ。過程なんてどうでも。いいフィルムが何よりも凄いんだ。どう凄いのか誰にも説明できない。だから誰にも真似できない。でも絶対的で凄絶で唯一無二の映画。それはきっと、天才と呼ばれる人間に変装した、神様が作った映画なんだよ」

芸大の映画作成話。会話がとても楽しく、青春模様にニヤニヤして、でも天才監督のちょっと読めない素顔に不安を感じてたら……これは心抉られる。読み終わった後、ゾクゾクが止まらなかった。→ 感想