第一回「OPEN-冲方」レポート

今日は「OPEN 冲方」の日。だということをすっかり忘れてて、18時開場だというのに、昼寝してたおかげでギリギリになってしまった。いや、ギリギリになったのは迷子になったせいなんだけど。っていうか、LOFTという名前から、それなりの大きさを想像してたんですが、看板も小さくて、通り過ぎてた。マップがなかったらいつまでも迷うところだったぜ。でも、入場は、整理番号順だったので、時間的にはちょうど良かった。受付にたどり着いたとき呼ばれたし。

中に入ったら、狭い中に人がたくさん。何人いるのかよくわからなかったけど、100は超えてる。ワンドリンク頼めということなので、とりあえずコーラで。シュピーゲルシリーズにあわせたカクテルもあったみたいだけど、この状態で酒なんて飲めません。

始まるまで40分ぐらいあったんだけど、知ってる人はいないしなあと思ったら、フォローしてるトランペさんがいると知った。残念ながら席が離れてたので、会いに行けなかったけど(あいつ最前列に座ってるんだぜ)、お互い位置は把握。Twitter便利。
だいたい時間通りに始まり……とか流れを全部書いていくと、大変なことになるので(イベントメモは4000文字越えてるから)ざっとかいていくか。
ちなみにイベントは、第一部が19時から20時50分ぐらい。10分の休憩を挟んで、第二部が23時までやってました。公開会議とか公開飲み会といったノリで(実際飲んでた。タバコ吸ってた。みそまよキャベツくってた)、わりと言っちゃいけないことなんじゃないかと思うことがぽんぽん出てた。未公開イラストとか企画書とか見られたし、いろんな話がたっぷり聞けたし。いやー、こんなたっぷりやってくれるとは思わなかったわ。丸椅子に座ってるからとても腰が痛くなったけど、大満足。

第一部。シュピーゲルの集まりといいながら、ほとんどがマルドゥックと天地明察だった。早川の人、角川の人(野性時代の人とニュータイプの人)と、マルドゥックのアニメ化したところの人(キングレコード)がいた。

  • マルドウックのアニメ化で辛かったこと。
    • キングレコード:オフレコっぽいお話し。愛ある仕返しとだけ言っておく
    • ハヤカワ:アニメにあわせて小説をと思ったのに、角川からでた作品が。あんなに売れなくても。あんなに取材うけなくても(天地明察関連で受けた取材は300件だとか)。一番つらかったのは、某社社長のスピーチ(言っていいのかしら)
    • 冲方: 天地明察だけじゃなくて、マルドゥックもたくさん取材あった。二日で15件とか。懇意のライターさんだと断れない。辛いのは、原稿。楽しいけど辛い。
  • 冲方サミット。各社編集さんを集めての話し合い。
    • なんで自分の首を絞めるようなことを?スケジュールばれますよ?
      • スケジュールなんてどうせばれてしまう。受賞パーティやら何やらで集まったら、みんなそこで情報交換するし。だったら、いっそオープンにした方が。
    • 企画は冲方さんらしい。
    • アノニマスかけないから、スクランブルを書き直しますと言って、改訂版、完全版。言い出したのは、冲方さん
    • サミットでは、プロデューサー冲方になって、面白いことをと提案するんだけど、帰って作家冲方になると、なんでこんな提案をしてしまったんだと思う。
  • マルドゥックスクランブルのアニメ第二部は順調。たぶん来年早々アフレコできるんじゃないか。ヴェロシテイもやりたい!
  • アノニマスはプロットはできてる。でも予想よりでかくなった。文庫三冊はちょっと……六冊ぐらい?新キャラ多数登場
  • 三部作にしようと決めたのは、SF大賞を受賞したとき。過去変、未来編を。でも、書いてるうちに、ちょっとかわった。ダンテの地獄編、天国編。アノニマスのあとの話も、膨らんできちゃった。
  • ニュータイプのコラム。三ヶ月だったはずが、四年半も。歴代三位(一位は、ゆうきまさみ、二位は、西村しのぶ
  • ニュータイプ増刊号として、12月21日に冲方丁のムック誌を出す。マルドゥック外伝と、ファフナーの短編書き下ろし。どちらも映画の前日譚。ファフナーは25ページで頼んだら120枚に。初期のザスニの短編二本(文庫本未収録)、ニュータイプでもコラムと対談も全部収録。
  • ファフナーの映画。TVシリーズの二年後の世界。2クール分の脚本を90分にまとめた。全員の未来を描いて、さらに新キャラも登場。満足行く仕上がり。
  • ファフナーは、女性ファンが多い。今日やったファフナーオフ会では、95%女性。
  • 野生時代では、12月11日発売の一月号でリニューアル。光圀伝スタート。昨日の夜に、原稿があがった。64年間をハイライトの予告編。予定では半年の連載。120枚ぐらいずつ。入らなかったら、本にするとき、追加。
    • 天地明察もアニメ化するよと、飲み会のノリで言ってた。
    • 光圀は、人を殺しまくる人だから面白くて。(うっかり八兵衛は?)資料にはいなかったなあ。(入浴シーンは?)そもそもその時代はそんなに風呂をわかさないし、風車もない。
  • マルドゥックの短編集出すかも。スクランブル、ヴェロシティ、アノニマスそれぞれの前日譚があるから、それに書き下ろしを入れて!(冲方さん苦笑)。スクランブルがDVD/Blue-Ray化に合わせたい。
  • ヴェロシテイの完全版は……アニメ化する?(飲み会のノリ)
  • アノニマスは。新キャラがたくさんでるので、短編集を出すかも。全部書き下ろしで
    • あっるぇー?(汗ふきふき)えー、あれやるのか。あのときは飲んでたからなあ(冲方)。

第二部。オイレンシュピーゲルの漫画家・二階堂さん、掲載雑誌シリウスの編集長、シュピーゲルシリーズのスニーカーの担当さんが登場。ちなみにスニーカー担当さんは、めっちゃ面白い人だった。

  • 担当「さっき、ハヤカワの人が第一部終わって裏に来たとき、拍手の大きさで、次を書く作品のスケジュール決めようぜとか。何を言ってるの?」
  • 担当「シュピーゲルシリーズは、野性時代やらなにやらで割を食ってる。でも私は、早く書いて下さいと言ったことはないです。早く読みたいとは言います」
  • 担当「私のところにあるシュピーゲルの資料は、2009年9月のものが最新です」司会「前にシュピーゲル読んだ感想を送ったら、テスタメントが終わった後の話の企画書を見せて貰ったよ」担当「きーてねーし!!!」
  • 担当「野性時代とスニーカーは、同じ角川だけど関係ないですから」
  • 担当「テスタメントは既に三巻分のイラストを貰ってます。レベル3の名称とか、六人それぞれの説明とか」ちなみにイラストはその場で見せて貰いました。かわいいなおい。
  • 冲方「去年のプロットから、新キャラ三人ぐらい増えてるんだけど」担当「きいてねー」
  • 担当「冲方さんは、締め切りをたくさん抱えてて守れない状況だったら、書きたい順番に書けばいいじゃないですかと言ったら、マルドウックの完全版とか書きやがるし!」
  • 冲方さんテスタメント三巻分のプロットをみせる。A4の紙9枚ぐらいが繋がってた。
  • 冲方「クランチ文体じゃなかったら、オイレンだけで8冊ぐらいになる」
  • 冲方「一度平分で書いてから、クランチに修正している」
  • 冲方「オイレン二巻がロシアで、四巻が中国で出せない」
  • コミカライズの経緯。マガジンZでシバリエ。雑誌がなくなり、でもやりたいってことでオイレンを。角川だけどと躊躇してたら、冲方さんがどーぞどーぞ。
  • テスタメント・シュピーゲルの次の巻は、来年中。
  • スニーカーサイドと富士見サイドは、自分ところの作品しかチェックしないから、両方の構成を僕がやっていて、さすがにもう無理だと。
  • 司会「最後のライトノベル。ほんとにやめんの?」スニーカー担当「これで講●社ラノベ文庫に書いたら、絶対許さないですよ!」冲方「この前角川から講談社に移った人にこの間会っちゃった」
  • (最後のライトノベルというのはなぜか)レーベルのニーズと、作家の関係性。新人に道を示した上で、先に行かないと、みんなそこにとどまってしまう。これは行けない。パイの取り合いにしかならない。上の人間は、卒業するほうがいい。ラノベでやろうとしていることは、ぶっちゃけ一般でもできる。年齢層あがると、読解力があがるので書きやすい
  • 担当「みんなライトノベル云々ではなく、冲方さんが書きたいものを書いてくれればいいんですよ。角川で!」
  • 司会「ちなみにスニーカーについてる客層と、シュピーゲルの客層は、どのくらい被るのか」担当「……年齢層がかなり上がります。ラノベ以外の人たち中心」
  • 冲方吉川英治新人賞の時、挨拶してたらテスタメントの続きはいつでるんですかと言われました。あの辺の人たちがライトノベルを読むなんて……」
  • 冲方「企画出したときは、まさしくライトノベルだと思ってたんだけどなあ」担当「いや、最初からぶれてないですから。全然」
  • 冲方「角川さんは、担当がよく変わるから、まいど説明大変」
  • 担当「三巻繋がりでイラストとっちゃったんで、三巻が分厚くならないか心配」
  • 冲方「新キャラというのは、中国軍電子部隊を出したかったので。あのあたり面白いんですよ」
  • 冲方天地明察のおかげで、すべてのスケジュールが九ヶ月おくれになってる。みんなが僕に文句を言ってくる」
  • 冲方「十二月から一年間、取材を断って、執筆に専念」
  • 天地明察のマンガをアフタヌーンでやる。来春から始められたらいいな。渋川 春海のイメージは、理系草食男子。
  • スーパージャンプサンクチュアリの二巻が三月か四月に。
  • スーパージャンプ編集「サンクチュアリは、小説にした方がいいんじゃないかと思って企画を」スニーカー担当「それを冲方サミットできいたときは、表にでろと思った」スーパージャンプ編集「スーパージャンプで連載したい。漫画編集初の直木賞を目指して」スニーカー担当「もう戦争だよね」
  • 二階堂さんのイラスト書きと、冲方さんの平分をクランチ文体に修正していくところをライブで。
  • ちなみに冲方さんのPCはVAIOだった。執筆は一太郎。二巻の初めの文章が……!
  • 担当「テスタメントは、自主的なプロット改稿を五回ぐらいしてる。オイレンとスプライトの謎や伏線の推論マトリックスももらってる。でも、これ全部書いたら、全三巻じゃ終わらないので、どう削っていくか」
  • 二巻はスプライトの視点。合流までが二巻

そんな感じ。まだいくつか書いてないこともあるけど、さすがに疲れた。
最後に冲方サイン入りの「SFマガジン」と「STACHA MANIA」争奪じゃんけん大会がありましたが、「STACHA MANIA」をゲットした僕がいるよ。

うふふ。
第二回があるなら、ぜひとも参加したいな!面白かったです。