2011年2月26日の日記(第二回「OPEN-冲方」にいってきた)

本日はOPEN-冲方の日。また23時ぐらいまでかかるのかなと思ったら予想通りで、笑うしかない。壁際の席にいったのは失敗だった。首が痛い。
開場は17時からだったけど、何かおなかに入れた方がいいかなと、同じくイベントにくるこんこんさんと待ち合わせして、喫茶店に入る。当然金沢事件がメインな話題になるわけですが、いろいろ気になるお話があったので、今度問いつめたいと思いました。
気がついたら、開演30分ぐらい前だったので、喫茶店から移動した頃に、お腹に何かを入れるという目的を果たし忘れたことに気づいたけど、まあいいです。
会場に入って思ったのは、前回ほど人はいないかなということ。椅子の数でそう思っただけなので違うかもしれないけど。まあ、今回はテーマが天地明察・光圀伝ですから、他の作品のファンは、遠慮するのかも。あるいは、前回来た日とは、23時までという長さに躊躇したかしら。いや僕はそんな感じなので……といいながら来てるわけですが。
始まりからして笑ったのは、冲方さんが登場するなり土下座したから。
なぜかというと、作家歴十数年やっていて、先日初めてスランプに陥り、いろんな人に迷惑をかけたからだそうです。講談社角川書店キングレコードなどなど、いろんな関係者がいる中で、謝りまくりの冲方さんが楽しかった。いやーみんなに愛されてるなあ。一瞬、冲方さんが平和さんに見えたけど、格好良さは比べることすらおこがましいですね。
ちなみに、冲方さんを知ってる人は、彼がスランプになったことを俄かに信じられなかったそうです。筆が速く、締め切り前に必ず仕上げてくることに定評があったので、冲方とスランプが繋がらなかったらしい。そりゃ電撃文庫ファフナーを五日で執筆したとか、22時にお願いしたファフナーの脚本が次の日の朝には仕上がってくるとかいう逸話が、当たり前の人なら……ねぇ?
光圀伝の連載中で、締切当日になっても一行もかけておらず、そんなことは初めてだったそうなので、精神的にだいぶきたらしい。「ぷよぷよをあんなに殺気立ってやる人を始めてみた(奥様談)」八時間ぶっ続けでやってたとか。角川の人もあわてて駆けつけて、膝をあわせて語り合い、ようやく糸口が見えて……とか、いろいろ話が聞けて面白かった。にしても、スランプ脱出後に、一日で50枚書く時点で普通の人じゃない(本来は100〜120必要なので足りないのですが、穴をあけるよりは、らしい。クオリティはいつもどおりだった)
言うなれば吊し上げではじまったイベントは、その後も隙をついては、アノニマスよ執筆は、マルドゥクの短編集で書き下ろしつけるんですよね、テスタメントは?などなど、気になる話題が飛び交い、机に突っ伏す冲方さんが見られました。
ちなみにテスタメントは、当初のプロットからとんとんズレてきているらしいですが、絶対書く、書きたいんだよ!と言ってました(時間がないとも言ってたけど)。
あと質問タイムで覚えてるのは、執筆中は作品にあったBGMなら流すとか、作家さんとの交流は、飲みとかはそんなにないけど(スケジュールが合わない)、伊坂さんとは話が合うと言ってた。伊坂さんはあれだけ売れているのに、未だ仕事部屋がなく、喫茶店を転々としながら執筆しているそうです。へー。

  • SFと時代小説の間に差はないと思っている。どちらも日本語で書かれているし。SFで世界を構築するのと、時代小説で資料を参考にしながら世界を構築するのは似ている
  • 一冊の作品を作るのに、目を通す資料は本当に多い。ただ読み込むのは十数冊ぐらい。使えるのは、ほんとうに、それこそドムホルンリンクルのように、一滴とかそのぐらい。
  • 天地明察を出版してから、Wikipedia渋川春海の項目が充実した。連載前に書いてくれ!資料集めが本当に大変だったんだ……ググっても千程度だったのに、今は四万以上。どこに隠れていたんだ。

このあたりで奥様が壇上に。妻であり、マネージャーでもある人からの発言は、面白かった。一切反論できない冲方さん!

  • 「楽屋裏に引っ込んでいいですか」「だめです」
  • スランプのときは、ほんとにひどかったらしい。とてもふにゃふにゃで、書けねーわははは、だったらしい。
  • 光圀伝にしろ、マルドゥクのヴェロシティにしろ、入り込むと大変迷惑(家庭としては)「死ぬ」とか書き置きして失踪しちゃうから、探し回りました。
  • ばいばいアース、マンガ化の企画?
  • もらい泣き、まとめたいんだけど……。連載してからいろんな人の話を聞かされたので、ネタは沢山あります。
  • 暦を作った春海、歴史を編纂した光圀。これがかければ、現代ものが書けるんじゃないか。ソフトとハードのような関係。
  • 司会「光圀伝の今後の見所をひとつ」冲方「実は光圀が17歳ぐらいの時、宮本武蔵と出会っているので、その辺りの話」「連載三話か四話目ぐらいで、宮本武蔵に押し倒される光圀をお楽しみに」

そんなこんなで22時45分ぐらいまでやっていました。このあとサイン本等の抽選会があったんですが、抽選券を持ってない僕とこんこんさんには意味のないお話だったので、このタイミングで夜行バスの時間が迫っていたこんこんさんが離脱。
次回もやりますとのこと。また数ヶ月時間をいただきますが、マルドゥックの燃焼の進捗状況などを見られたら嬉しいよね?ということで、何ヶ月か連続でやろうと思ってますと司会の方がいったら、冲方さん「聞いてないよー!」
今回はヘタれた冲方さんが見られて楽しかった。