オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り - 伊坂幸太郎
その島は鎖国をしていた。外と繋がりがあるのはたったひとりだけ。
その男に連れられて伊藤は島に入った。
見た目は特に変わったことが無い島。だが決定的に他と違うことがある。
それは話をするカカシがいることだった。
未来を知り、過去を知り、すべてを知るカカシの優午。
だがそのカカシが地面からひっこぬかれバラバラにされて発見された。
島民の誰もが崇めるカカシを誰が?
そして未来を知ることができるカカシがなぜ防げなかった?


嘘つきの画家。
ウサギという名とは裏腹に巨体を持つ女性。
罪を犯したものを殺す役目を持つ桜。


テンポよく広がる会話と展開。
不思議な雰囲気に気がつけば引き込まれ、気がつけば慣れ、気がつけば謎に包まれ、
最後の集約を見て「ここまで計算してたのか!」と驚き。
いやはや、才能とはこういうものを言うのだよ。
圧倒的なまでにお勧めの作家・伊坂幸太郎のデビュー作。見過ごすな!