読書感想について

ラノベ系で最近話題になってるネタバレと感想についての話題。
はじめて知ったのはライトノベルリング経由。USA3 さんの「ネタバレについて」。そこからたどったトラバとかゐんどさんの「感想とネタバレ」とか震源地(?)とかを読んで、ネタバレというより読書感想について思ったことをつらつらと書いてみる。


本を手に取るとき、他人の意見を参考にしないという人がいるのはわかる。
ただその場合、届かない作品が多くなると思う。
例えば「ドグラ・マグラ」とか。
何の知識も無くあのタイトルと表紙を見て買おうという気になるとしたら驚きだ。
いわゆる四大ミステリーの中でも一番奇抜なあの本を手に取るとしたら、人から勧められる、あるいはガイドブックを読むとか、どこからか辿らないとたどり着けないのではないかと。


ぼくが「ドグラ・マグラ」を手に取ったのは森博嗣の「すべてがFになる」が発端だ。
登場人物である西之園萌絵が「傑作」と言い切った作品。
どんな作品か興味を持った。読んでみたいと思った。
他人の勧めといえるかどうかわからないけれども、僕は「F」で「ドグラ・マグラ」を手に取った。
その出会いを幸せに思う。


傑作といわれる作品は多々ある。
読み進めていけばいつかは出会えるかもしれない。出会えないかもしれない。
出会いが増えるのであれば、ガイドブックを参考にすることは悪いことじゃないと思う。
「ミステリー百選」やら本の解説やらあとがきやら「このミス」等、ガイドブックがなければ出会えなかった作品は多々ある。
ただ、そういったガイドブックには紙面の都合上、限りがある。似たような作品が取り上げられることも多い。
では、もっと多くの情報を得るのはどうすればいいか。


ありがたいことに参考となるガイドブックのひとつが今はネット上に数多くある。
感想・書評サイトは本に出会うためのまさにガイドブックだ。
自分から求めなければ手に入らない情報。
この 1年で読書量が飛躍的に増えたのは、まさにそういったサイトのおかげだ。感謝してもしたりない。


僕が本の感想を書いているのは、自分への還元という意味もあるけれど、ひょっとしたら自分のつたない感想が誰かのガイドブックになるかもしれないと思っているから。
手に入れたものの大きさを考えれば小さなことかもしれない。
でも、ぼくができることはそのぐらいしかないから。


そして、今日もぼくは本を読むと同時にネットを巡回する。
新たな出会いを求めて。多くの出会いを求めて。