嵩峰龍二

雷の娘シェクティ(5) 妖精王の死

「それでも、ただの小娘でしかないあたしを護ってくれるのは、あたしが本当は御子だから?」 「いいえ、決してそれだけではありませんよ」 不安に震えるその小さな肩をそっと抱きしめて、レマは力強く答えた。 「じゃ、どうして?」 ジプシィ、アマゾネスと…

雷の娘シェクティ(4) 流離の傭兵

「莫迦な……死んで花実が咲くものか!」 「貴様には解らぬだろうな。自分自身よりも大切な存在のために己の命を投げ出すことの美しさなど ―」 短編集。かつて登場した人たちや、本編の補足エピソードが五編。ラウニィが出てきてくれたのは個人的に嬉しい。短…

雷の娘シェクティ(3) 黄金の封印

「そうよ、ダーラ。お願い、あたしを助けて。早くここへ来て!」 すれ違いが生む悲劇か。まさに激動の四日間というべき展開だっなあ。シェクティを中心にしながら、頑張っていたのはシェクティ以外の人だったけど、さて彼女の心は何処にあるのだろう。→ 感想

雷の娘シェクティ(2) 黒銀の公子

「それじゃあ、シェクティ!オレは決めたぞ!」 「決めたって、何を?」 「シェクティ、オレの嫁になってくれ!城の一つや二つはオレが建ててやるし、美味いもんだって毎日、飽きるほど食わせてやる。なぁ、いいだろう?」 人々と関わることで、ちょっとずつ…

雷の娘シェクティ(1) 天雷の剣

それに気づいたとき、この娘は一体どういう行動を取るのだろう?もし、シェクティがあの男の意志を継いだとしたら、果たして自分にそれを押さえることができるだろうか? この少女とて、そうそういつまでも深く悩まぬ性格でい続ける訳ではあるまい。御子の生…