谷崎央佳

ベクシル 〜my winding road〜

「あっ……!」 逃がしてなるもんかと、あわててあとを追おうとしたけれど、蹴つまづいて床に激突した。なんて間抜けさ加減だっ!プラットホームに足を下ろしたライダースーツが、肩越しにあたしを振り返り、ヘルメットのシールドをわずかにあげた。 「あんた…