四季 冬

四部作の最後を飾る作品。前三作までは四季にかかわり合う人も含めて、四季という人物が描かれていましたが、今回は四季の一人舞台と言ってもいいでしょう。その心が、四季本人の思考(他人格の思考も)から明らかにされていく。まるで詩のように。
その中で一番印象に残ったのが四季が言葉にした「孤独」。


「悲しくはありません。ただ、そこには、自分だけが存在している、という意識。誰にも伝わらない、という思いがある」

このシーンは忘れることができないかもしれません。

この四部作は三ヶ月に一回のペースで出版されていたので、次は四月に出版されるものだとばかり思っていましたが、勘違いしていたようです。なんにせよ、嬉しい誤算でした。次はどんなシリーズ作品となるのでしょうか。今から楽しみです。


四季 冬 - 森博嗣