紫の傷 [amazon]

今まで読んできた連城作品とは異なり、人の悪意を感じる短編集。圧倒的な悪意ではなく、ひそかな悪意。読んでいるだけで心が痛い。そんな中、表題作でもある「紫の傷」はよかった。二十八年前に付けられた傷。ボディガードをしている相手は、ひょっとして自分の母親では・・・?
なんて始まるけど、また痛い話かと思いきやこういうラストとはね。話の持って行き方がうまいなあ。感心。


紫の傷 - 連城三紀彦