夜のない窓 [amazon]

妻は、当時の不倫相手の妻をだますためだけに、自分と結婚した。愛のない結婚。
そのことに気づいたときには、すでに遅かった。
やがてその不倫相手に捨てられたとき、薬を飲んで自殺を図るほど相手に執着していた。そのときなぜ自分は妻を助けたのだろう。
十年後、再び妻は執着する相手を見つけた。今度は失敗をしない。
相手の男を使い、自分の浮気相手を使い、徐々に妻を追い詰めていく・・・。
表題作「夜のない窓」を含む四編の短編集。怖いぐらい、せつない心理状態が浮き彫りにされる文章。いくら古いからといって、この作品がなかなか手に入らないというのは、いかがなものか。
本屋でも古本屋でも、連城作品を見つけたらためらわず買うことをお勧めする。


夜のない窓 - 連城三紀彦