対岸の彼女 [amazon]

日々の育児、家事に勤しんでいる間に、気軽に相談や話ができるような、友人と呼べる人がいないことに気づく小夜子。何事にも自由奔放で、誰とでも気軽に付き合う葵。そんな性格の異なった女性が繰り広げる物語。
本の帯に著者がこう書いている。


おとなになったら、友達をつくるのはとたんにむずかしくなる。-<中略>- 高校のころは簡単だった。-<中略>- けれど私は思うのだ。あのころのような、全身で信じられる女友達を必要なのは、大人になった今なのに、と。

まさに、これを実感できる作品。読みやすい。しっくりくる感じ。
第 132 回直木賞受賞作ってことで期待しすぎたせいか、ちょっと拍子抜けをしましたが、直木賞作品として気負わずに読んだら素直に面白いと思えたのかもしれない。個人的には候補作であった『真夜中の五分前』(本多孝好)のがよかった。まあ、これは好みの問題だろうけど。
今回の直木賞候補はヨサゲな人ばかりだったので、ハードカバーには手を出すつもりはなかったんですが、他の候補作品も読んでみようかな。

対岸の彼女 - 角田光代