砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

実弾がほしい。自分で生活できる力。本物の力。
早く学校を卒業して働くんだ。
そんな毎日を過ごしていた山田の学校に、有名人の娘が転校してきた。
その娘は自己紹介でとっぴなことを言う。
「僕は人魚なんです」
そんなつまらない嘘を突き続ける少女。それはまるで砂糖菓子の弾丸のようだ。
そんなふたりが繰り広げる小さな悲しい物語。


ほんの200ページにも満たない小説で、こんな感動を受けるなんて久しぶりだ。
同著者の他シリーズ「GOSICK」とはまるで異なる雰囲気だが、はるかに良い(GOSICKが悪いわけではないが)。一気にファンになってしまいました。読んでない過去作品の購入決定。


そういえば、桜坂洋も「よくわかる現代魔法」なんていうつまらなくはないけど、微妙な作品を出していたと思ったら「All You Need Is Kill」なんていう傑作を出してくれちゃってたな。
化ける人が多いことはうれしいことだ。


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない - 桜庭一樹