煉獄のエスクード RAINY DAY & DAY

その紙片に書かれた内容を解読しようとしたものは、ある者は発狂し、ある者は自殺した。
それほどまでに危険な紙片には、ゲートの場所が記されていた。


世界と「向こう側」を繋ぐゲート。
人類はそれを施錠するために、「奴ら」はそれを開くために、キィとなるひとりの少女を奪い合う。
レディ・キィ - ソフィア 現在 12歳。


「殺戮のレイニー」「裏切り者レイニー」「堕天使レイニー」
与えられた名は不名誉なもの。だがひとつだけ確かなことがある。「鍵の番人レイニー」。
レディ・キィのいるところ、彼女がいる。


それは「奴ら」への切札。持ち主を選り好みする剣。
持ち主以外の手は受け付けぬ剣「ブラディミール」。
それを使うもの。己の役目を知らずに成長したもの。
受けた命令はひとつ。
「レディ・キィを守れ。奴らに奪われるぐらいなら殺せ


ゾクっと体が震えたシーンがどれほどあったろう。
ぎこちないながらもセンスを感じる場面が多数ある。
前作の「眠り姫」は 2004 年個人的ベスト 10 入りするほど気に入っていたので、期待が大きかったのですが、見事に応えてくれました。やはりこの人は買いだ。
シリーズものとは思っていなかったのですが、読み終わったとき「なんだ続くのかよ」などと思わずに、素直に喜べました。
次巻はそんなに間を空けずに出版してほしいなあ。待ってます。


煉獄のエスクード - 貴子潤一郎


次作の感想: 煉獄のエスクード 2