蒲公英草紙 - 常野物語

私は槙村家の末娘、聡明で美しい聡子様。けれど、体が弱く友人と言える人がいない。
そこで、槙村家のお抱え医者である父の娘 - 私は聡子様の話相手としてお屋敷へ行くことになった。
いつしかお屋敷で過ごす日々が楽しくなったころ、槙村家に不思議な家族が訪れた。
その様子を話したところ父は言った。
「たぶん、あの人たちは『常野』だな」
槙村家で過ごした不思議な常野一族との物語。


涙が止まらなかった。
前作「光の帝国 - 常野物語」と同じ常野の物語というだけで、その期待は大きかったのですが、これほどまでに感動させられるとは・・・・・・。
その情景に、その描写に、その感情に。そして槙村家の当主の言葉に。


よくやったな、聡子。お父様は、聡子を誇りに思うぞ。本当に、よくやった。それでこそ、槙村の娘ぞ。お父様は、立派な仕事をした聡子を笑って出迎えるぞ

書いてるだけで涙が出てきた。
前作の連作短編集とは異なり完全な長編。
まだ読んだことない人はぜひ前作の「光の帝国 - 常野物語」から読んで欲しい。
これはそれだけの価値がある作品だ。
ダントツなまでにオススメ。


蒲公英草紙 - 常野物語 - 恩田陸