アジアンタムブルー

アジアンタムブルー - 大崎善生
僕はいつもデパートの屋上で空を見上げていた。
ふと、気づけば葉子を探している。
もういないはずの彼女を。癌で失った彼女を。
仕事をする気も起きず、呆然とすごす日々。
そんなとき、同じように自分の夫を亡くした女性と出会った。
彼女の話を聞くうちに、昔の自分を思い出して・・・・・・。


はじめのうちは場面転換が急なので、え?と思うことがありましたが、後半はよかった。結構秀逸。
こういった寂しさあふれる作品(悪く言えば泣かせよう系)で泣くことはないんですが、
旅行に行くための荷物をまとめているときに見つけた鳥の図鑑、あの場面だけはぐっときました。
静かにそしてストレートに、愛する人との出会いと別れが描かれた作品。