レイン レイン・ボウ

知寿子が死んだ。
高校時代のソフトボール部のキャプテンからそんな連絡があった。
久しぶりに仲間と会う場が通夜とは・・・・・・。
久しぶりに出会ったことで、動き出す展開。


知寿子が死んだのは私のせいかもしれないと思う美久。
知り合いの作家から聞いたとんでもない推理におののく陽子。
涙の意味を問われた緑、などなど。


かつてのチームメイト 7人の視点からひとりの女性を追って描かれる、
暖かくて、悲しくて、優しい物語。


ふとしたきっかけで昔に戻り、それが更なる循環を作る。
無理なく話を進めるのは、本来困難だったでしょう。
そんな物語を、関連はあるものの独立した 7つの物語を、
加納朋子がきれいにまとめてくれましたよ。
愛すべきキャラクタたちと共に。
ミステリィとは異なる方面に進みながら、どこか根底にそのスパイスが効いている。
そんな 7つの物語が繰り出す爽やかな青春小説。
やはりこの人はいいよ。