太陽の簒奪者

水星で何かが始まっていた。
"アンテナの生えた水星" "水星に巨大建築?"
水星を覆う繊維状のリングにセンセーショナルな見出しが駆け巡った。
それは明らかに人工のもの。
異星文明の存在を考慮し、メッセージを送信するも答えはない。
やがて、そのリングは巨大化し、肉眼でも見えるようになった。
同時に地球への日照が減り、世界は氷河期を迎えようとしてた……。


未知の宇宙。未知の出来事。
未知ゆえの恐ろしさ。未知ゆえの興味。
それでもやはり宇宙へ行きたい。異星文明があるなら、それに触れたい。
そんな「太陽の簒奪者」であるリングに向かう主人公たち。
すばらしい。これぞ、SF って感じの物語。
題名と星雲賞受賞という帯に惹かれましたが正解でした。
他の作品も読んでいきます。


太陽の簒奪者 - 野尻抱介