導きの星 Ⅲ 災いの空

ついに産業革命を迎えたオセノア。天才的発明家クルケンにより、文明は空を目指す。
だが、地球と同じく軍は空を欲した。
異種族の争いを大きくしたくない司は、自身の正体をクルケンに明かすことにした……。


空に陸地の何倍の広さがあると思ってる。人間が文明をおし進めようとするなら、どうしたって空を征服しなけりゃならねえんだ。とにかく空へ出るんだ、行動圏を広げるんだ、空だろうが天だろうが昇らなけりゃならねえんだよ!
そんなクルケンの空への思い。動かされたのは、この思いとそれを実現する頭脳を持っていたからでしょう。
さらに、そんな空への思いを軍が奪っていこうとすることへの反発か。
正体を明かした司たちとクルケンの交流は素晴らしい。ほんと心温まる。
そして後半になって、まさかまさかの展開。
司の過去が明かされ、異常なまでの戦争嫌いの原因が明らかになる。
そしてアルミティのしたこと。それは決して許されることではない。
でもいったい何のために?
司の禁断の決意と最後に謎を残して終わるシリーズ第三巻。


導きの星 Ⅲ 災いの空 - 小川一水


次作の感想:導きの星 Ⅳ 出会いの銀河
前作の感想: 導きの星 Ⅱ 争いの地平