真夏の迷宮 ムーンスペル !! 3

夏の首都はとてつもなく暑い。
というわけで、子供向け詠唱教室の講師として働いているクラウスは、課外授業を実施する。
さびれた森の中にある宿「七つの扉」。無事到着したと安心したのもつかの間、なぜか行きつけのパブの従業員一同が慰安旅行としてその宿に来ていて、さらにかつての敵の頭領も泊まっていて……。


両手に花状態は相変わらずだけど、まったく気づいていないのも相変わらず。
いつもと違う場所へ行くということで、皆が皆、積極的に行動するのがなんとも言えない。
そんな楽しい雰囲気に漂う影。かつての自分の行動がそれを呼び寄せてしまう。
強大な力を持ちながら、葛藤をあらわにするエルリー。
そんなエルリーを助けるための行動で、自分が何をしたいのか思いつめるクラウス。
もともと後ろ向きだったけれど、さらにそれが加速されていく。
ここで落としたクラウスを、誰がどのように引き上げるのか。
軽いようで、実は重い。エルリーの葛藤も見逃せないシリーズ第三巻。


真夏の迷宮 ムーンスペル !! 3 - 尼野ゆたか


前作の感想: 霧の向こうに…… ムーンスペル!! 2