黎明の戦女神 2

混世魔。それは人間が変質してなるもの。世界の混乱を楽しみ、殺戮を喜ぶ。
人間のマイナスの感情につけこみ、争いの種をまく。
かつて昌樹もその混世魔だった。その結果、恋するものを失った。
今、自分にはその力が限定されている。人間相手には使えない。
それでもいい。これは贖罪だ。でなければ意味が無い。


先の戦闘で鯰田軍を打ち破り、一躍その名を轟かせた藤沢梓。
そんな彼女の元へ「中央」行政府から接触があった。
この場を離れるだけのメリットはある。そう決断した梓。
精鋭ではあるが数少ない従者を連れて旅立ったその先に待ち受けていたものは……。


相変わらず濃い内容だ。初めて見えた「中央」行政府。そこで行われる駆け引き。
いやあ、見事見事。ここまでやられたらついていくしかないでしょう。
やはり意思を持つものはかっこいいね。桔梗の妹、竜胆もいい味出してるし。
そして昌樹。いつまで隠し通せるのか。それとも解っているのか。



相手が非常識な力を使っているときには、峠くんが察知してくれて、対策が立てられる。
そうじゃない相手には、まあ実力で戦うと。それでいいんじゃない。峠くんは私たちの仲間だし。

仲間。己の力を信じてくれるその言葉にどれほど支えられることか。
藤沢軍の今後が楽しみ。


それと、今回襲い掛かった敵、もう一人の戦女神がこれまた何たることだ。
藤沢軍との関係が深いものになりそう。
これが大いなる戦いの前哨戦となるのか?
できる限り次作は早く出してほしいものだ。待ちきれないから。


黎明の戦女神(アテナ) (2) - 中里 融司