中里融司

空色のリンク

鋭い痛みが走った。肌が切り裂かれ、なにかが噴出すような思いを抱く。 顔を引きつらせた鈴とすれ違いざまに、ほんの一瞬、娘の顔が見えた。 限りない憎悪を燃やした、逞しい美貌が、牙を剥き出すようにして笑った。 「来たな……。待っていた。私がなぜ、この…

デモンズサモナー4 淨闇の印章

「いまさら、何言ってんだか。相手が神なら、あたしたちは悪魔。それでいいじゃない」 「わかってんのか?俺たちは絶対に不利な立場に立ってるんだ。なんとか、人間たちの支持を得なきゃならないということだよ!?」 「無理だよ。人間は、私たちの味方には…

デモンズサモナー 3 黄金の指輪

「以前とは、決定的に違うことがあるんだ。英雄願望とか、自分だけが弱い人たちを守れるなんていう思い上がったエリート意識からは一番無縁な男の子が、きっと、戦いを終わらせてくれる」 微笑んで、シャイナは片目をつぶってみせた。 「だったら、命を賭け…

デモンズサモナー 2 薄暮の灯火

「私もサモナーだ。魔物を召喚する以上、偉そうなことは言えない。言えないけれど……」 口にするには、感情のうねりが大きすぎた。 心を鎮めようと試みるものの、沸騰する怒気は到底押さえ切れるものではなく、シャイナはその怒りをすべて両掌に集中した。 「…

黎明の戦女神4

「そう、これは未来に必要な可能性。その可能性を、実際のものに変えるために……もう少し、この手を血に汚さなきゃ。この血が、明日を開くなら……」 唇を引き締め、続く言葉を飲み込んで、梓は背筋を伸ばす。 倒れた猛虎に惜別の思いを込めて、梓はそっと手を…

デモンズサモナー 王権の剣

「なによ!なにが、あたしを助けたよ。あんたなんか、あたしの子分なんだから……ずっとずっと、あたしの子分なんだから!勝手に死ぬなんて許さないんだから!」 迸る劇場を、真昼はそのまま言葉に変えた。 「だから、助ける!命を助けてあげる!あんたを自由…

黎明の戦女神3

大きな動きが始まる前哨戦 → 感想

黎明の戦女神 2

混世魔。それは人間が変質してなるもの。世界の混乱を楽しみ、殺戮を喜ぶ。 人間のマイナスの感情につけこみ、争いの種をまく。 かつて昌樹もその混世魔だった。その結果、恋するものを失った。 今、自分にはその力が限定されている。人間相手には使えない。…