2006-05-12 火目の巫女 巻ノ二 book 杉井光 「……どうして」 雨と注ぐ火の粉の中に立つ紅白の装束が、弓を握りしめた手が、賢しげな猫にも似たその瞳が、顔が、にじんで歪む。 「……どうして、あなたは」 言葉にならなくなった感情が火目式からあふれ出た。 ― どうして、わたくしの声を聴いてしまうのか。 ― どうして、助けに来てしまうのか。 登場人物それぞれの苦悩と成長を見事に描いた作品 → 感想